中国ロケット10年で4倍超 民間主導の米も大幅増

有人宇宙船「神舟15号」を載せて打ち上げられたロケット「長征2号F遥15」=2022年11月、中国・酒泉衛星発射センター(共同)

 中国の宇宙ロケットの打ち上げ回数が昨年はこれまでで最多の62回に上り、10年間で4倍以上に増えたことが27日、内閣府の調査で分かった。習近平指導部は「宇宙強国」確立を目指し、月面探査や独自のステーション建設を通じて着実に回数を伸ばした。米国も昨年、スペースX社の貢献で回数を大幅に増やし、首位を中国から奪還した。

 軍事利用を念頭に軍が主導する中国と、民間主導の米国との宇宙開発を巡る激しい覇権争いが鮮明となった。世界全体の打ち上げ回数で米中両国が8割を占めた一方、日本はゼロとなり、トップ集団との差が拡大した。

 内閣府によると、2022年の世界全体のロケット打ち上げ成功回数は177回で、うち米国は83回、中国は62回だった。13年は世界全体が77回で、中国はロシア、米国に続き14回で第3位だった。中国は18年に単独首位に浮上し、20年に米国に抜かれたが、21年に再びトップとなっていた。

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