トルコ地震「継続的な支援必要」 現地で活動したAMDA医師会見

被災地で巡回診療を行う鈴記さん(右)=AMDA提供

 トルコ・シリア大地震で被災したトルコ南東部アドゥヤマン県などで支援活動に取り組んだ国際医療ボランティアAMDA(岡山市北区伊福町)メンバーで、医師の鈴記好博さん(57)=東京都=が27日、同市北区奉還町の岡山国際交流センターで会見した。地元医師会と連携した巡回診療で、被災者の健康チェックなどに当たった鈴記さんは「被害は甚大で広範囲に及んでいるため、ケアが届いていない地域がある。継続的な支援が必要だ」などと訴えた。

 鈴記さんは、AMDAメンバーの看護師・菊池友枝さん(46)=神奈川県、トルコ出身の調整員カディール・カルギさん(27)=東京都=とチームを組み、日本を11日に出発。12日に同国へ到着した。

 人口30万人のアドゥヤマン市に到着した一行が目にしたのは、壊滅状態の市街地だった。「建物が見たことのない崩れ方をしており、人が住める場所はほとんどなかった」と鈴記さん。

 空き地に設置された、点在する避難テントを巡り、体調不良を訴える人には痛み止めや胃薬などを渡したという。「被災者は家族や友人を亡くしたり、住居を失ったりした悲しみから大きなストレスを抱えていた。その話に耳を傾け、励ますといった心のケアも行った」と述べた。チームは市外の雪深い山間部にも足を運び、防寒用の毛布や下着を届け、健康チェックも行ったという。

 地震の発生は6日。「避難生活が長期化しており、今後は感染症予防が重要になる。できる限りの支援を続けていきたい」と力を込めた。

 会見には菅波茂理事長が同席した。鈴記さんとカルギさんは24日に帰国したが、菊池さんは現地で活動を継続。27日までに派遣した別の医師と看護師と合流する。

被災者の傷の手当てをする看護師の菊池さん(手前左)=AMDA提供
トルコ・シリア大地震の被災地での支援活動について報告する鈴記さん(左)と菅波理事長

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