川崎・多摩川スカイブリッジ開通 周辺の交通量2~3割減 通学路の安全性向上

多摩川スカイブリッジ。奥には羽田空港があり、航空機が飛び交う=川崎市川崎区殿町

 川崎・殿町地区と羽田空港を結ぶ多摩川スカイブリッジが開通し、周辺道路の交通量が2~3割減少したことが、東京都と川崎市の調査で分かった。周辺には通学路もあり、安全性が向上したと実感する地元住民も多いという。一方、羽田空港をルートに含む路線バスの運行などを求める声が上がっており、市はこうした課題に取り組んでいる。

 調査はスカイブリッジ開通後の昨年9月、大師橋と市立殿町小学校の通学路にもなっている殿町通り、東京都大田区の弁天通りなどで実施し、開通前の昨年2月の交通量と比較した。

 以前は12時間で2万5444台だった大師橋は1万8313台と3割減で、大型車に限れば4割減。12時間で4402台だった殿町通りは3544台と2割減、うち大型車は3割減となった。弁天通りも同様の傾向だった。

 大師橋は、以前は多摩川最下流に位置し、付近の一般道で県境を越える唯一のルートだったため渋滞することがあった。また、大師橋や殿町通りは川崎臨海部の工業地域に近く、大型車の交通量は比較的多い。しかし、現在は臨海部から走行してきた車両が手前に位置するスカイブリッジを渡って県境を越えるケースが増え、通行車両が分散しているという。

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