ソフトバンクら、JR博多シティの来館者数等の長期予測を行う研究開始

九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)ら5者は、JR博多シティにおいて、来館者数や売り上げに影響を及ぼす要因をAIで特定し、さらに高精度な長期予測を行う研究を、2023年1月から共同で開始した。2月24日付のプレスリリースで明かしている。

同研究では、駅から半径2.5キロメートル圏内に鉄道・空港・港・商業地区などがコンパクトに存在するJR博多駅を、日本の成長する都市の代表的なモデルと位置付けている。そのJR博多駅に隣接するJR博多シティの来館者数には、JR博多駅の乗降客数・気象・周辺イベント・社会情勢など多くの要因が関連しており、将来予測が難しい現状がある。

同取り組みは、JR九州、JR九州駅ビルホールディングス株式会社、株式会社JR博多シティ、国立大学法人東京大学(以下、東京大学)、およびソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)の5者で実施する。目的は、ビッグデータやAIの活用により、現状の可視化および来館者数や売り上げの予測を行うことで、JR博多シティにおける施策に反映し、売り上げの拡大を図ることだ。同時に、利用者にとって、より楽しく、より生活が豊かになるような魅力的な施設づくりを目指す。

東京大学とソフトバンクは、両社などが設立したAI研究機関「Beyond AI 研究推進機構」の研究の一環として、将来予測に係る独自の手法を活用する。そして、JR博多シティを実証実験のフィールドとして、高精度な来館者数および売り上げ予測の研究を行う。具体的には、AIにソフトバンクの人流統計データとJR九州グループ各社から提供される各種データを活用して実施する。使用するAIは、東京大学 空間情報科学研究センターの高橋孝明教授と菅澤翔之助准教授が独自に開発した統計手法を組み込んだものだ。さらに、データは、個人を特定する情報を含まない形のものを取り扱う。

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また、5者は、同研究を通して、来館者や売り上げに影響を及ぼす要因をAIで特定し、その予測プロセスをより分かりやすく説明できるようにする。くわえて、来館者数と売り上げを約1カ月先まで毎日1時間単位で高精度に予測することなどの実現を目指す。研究期間は、2023年1月~2024年9月の予定だ。

なお、東京大学とソフトバンクは、同研究成果を基に、AIを活用した実用性と汎用性の高いサービス提供を目指し、さまざまな都市におけるスマートシティ化の推進に貢献すると述べている。

(出典:JR九州 Webサイトより)

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