ソン・フンミン激白 「サッカーより大切なこと」がある

ウェストハム戦でのゴールを喜ぶソン・フンミン @Getty Images

ソン・フンミン(トッテナム)の不調が伝えられている。

2022年11月1日、欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグのマルセイユ戦で顔面骨折。その後のワールドカップ(W杯)カタール大会でもどこか体が重そうで、密集に飛び込んでボールを奪われるシーンも散見された。

その後、イングランド・プレミアリーグでも調子が出ない。昨季は23ゴールで得点王になりながら、今季はここまで5ゴールと不振にあえいでいる。

2月20日(日本時間)のプレミアリーグ第24節ウェストハム戦でついにベンチスタートに。試合後、ずばりその点をリポーターにツッコまれた。ソンは一方で体調不良のコンテ監督へのリスペクトも口に。

「サッカーより大切なのは自分の健康、家族の幸せ」と言い切った。 

リポーターの「リザーブ選手論」に「ハハハ」と回答

この試合、途中出場ながら後半27分に2点目を叩き込んだソン。リポーターからも先発から外れた状況について、鋭い質問が飛んだ。

――選手として交代出場は気に入らなかったと思いますが。 しかし、きちんと力を証明しました。

「正直、ベンチに座っていたい選手はいないと思いますが、こういう決定も受け入れなければなりません。 サッカーというゲームはベンチでも変化を与えることができるものです。 もちろん座っている時、私は幸せではありませんが……。ピッチに立つ以上、自分のベストを尽くしながらチームに役に立ちたいと思います。 今日は自分たちが多くのチャンスをつかんだことに比べれば、スコアは完璧とは言えませんが、このように私がゴールを決め、チームの役に立てて本当に嬉しいです」

自身が置かれている状況に複雑な思いがありつつも、チームの役に立つことが重要と強調するソン。

しかし、その後もリポーターは食い下がる。「リザーブ選手論」が飛び出した。

――問題は今回のことで世の監督たちがどんな教訓を得たかということです。(いい選手を) 絶対にリザーブとして出すべきではないのか。あるいはリザーブだからこそいい選手なのか、と。あるいは監督は「(重要だからこそ)リザーブとして入れておきたい」と思うこともあるのでは?

「ハハハ。私もよく分からないですね。 決定を下すのは監督の役目です。先ほども言ったように選手であればこれを受け入れるしかありません。(今日は) こうやって勝ち点3を得ることができて本当に嬉しいですね」

信頼を寄せるコンテ監督が胆のう炎を発症し、治療のためにチームを離れることに。指揮官がいない時期について、ソンは自身の考えを口にした。

――今週はどんな感じでしたか? コンテ監督が(胆のう炎からの)回復のために席を外していますが、監督がいない1週間というものがどうだったのか。不在を埋めるためにコーチたちが何か特別なことを?

「もちろん監督の不在は本当に悲しいことです。 私たちは時に、サッカーは人生でそれほど重要ではないことを忘れてしまいます。 自分の健康、家族の幸せほど重要なものはありません。 私たちは皆、監督が出来る限り早く復帰することを願っています。 もちろん、残ったコーチングスタッフたちも非常に熱心で、チームに大いなる自信を吹き込んでくれました。 いい話、いい戦術を通じてですね。 それが今日、チームがこうやって無失点の2―0という結果を生み出し、よい気分で試合を終えられた理由だと思います」

プレミアリーグ得点王を獲得した昨シーズンから一転、苦しい状況が続くソン。途中出場でも腐らずに、チームの役に立てるか意識しているだけではなく、監督へのリスペクトを忘れない。やはり人格者、というところか。

このシーンのインタビュー動画は以下に。

© 株式会社SPOTV JAPAN