茨城・日立の課題、解決策探る 茨城キリスト教大生 就活アプリ導入や地域参加提言

地域の課題解決策を発表する学生=日立市大みか町

茨城県日立市と茨城キリスト教大との連携事業の一環で、学生が地域課題を研究し解決策を探る「学生プロジェクト」の成果発表会が18日、同市大みか町の同大で開かれた。5グループが登壇し、地元企業への就職率向上や、地域活動への参加を促す場づくりなどについて、若い世代の視点から政策提言した。

市と同大は2003年度に連携協定を締結。同プロジェクトは08年度に始まり今回で15回目を迎えた。学生たちは約半年にわたり、関係者への取材やアンケートなどを通じ調査・研究に取り組み、同日は市職員や大学関係者を前に成果を披露した。

冒頭、同大の上野尚美学長は「実際に市の活性化につながれば」とあいさつ。吉成日出男副市長も「多くのアイデアをもらえる貴重な機会。ともに活気あるまちをつくっていきたい」と期待した。

経営学科のグループは、人口減少が進む現状を踏まえ、市内中小企業と新卒向けの「就活アプリ」の導入を提起。掲載費を無料とすることで幅広い企業情報が集まり、学生も埋もれている優良企業を知ることができる利点を強調し、「市内で活躍する若者が増える」と訴えた。

心理福祉学科のグループは、現役世代は地域活動への参加率が低いと指摘し、放課後子ども教室などで高校生や大学生が主催するボランティア活動を提案。大学のダンスサークルによる指導を例に挙げ、「興味関心を持って活動でき、人とのつながりも生まれる」と語った。

ほかのグループは、交流センターやコミュニティーの活性化に向けたアプリの導入、通信アプリ「LINE(ライン)」を使った行政情報の発信などを提案。発表後は吉成副市長から感謝状が贈られた。

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