【WBC】侍ジャパン"約束の地" 米ラウンド会場は「余裕たっぷり」の球場だった!

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開幕が間近に迫ったワールド・ベースボール・クラシック2023(WBC)。侍ジャパンが”必ず行く場所”、準決勝・決勝の舞台となるアメリカラウンドでの会場「ローンデポ・パーク」について編集部が徹底的にご案内! 

ローンデポ・パークは、アメリカ・フロリダ州マイアミにある野球場だ。

完成したのは比較的最近の2012年。米大リーグ機構(MLB)マーリンズの新本拠地としてオープンした。マーリンズの元々の本拠地は立地が悪く、観客の入りも悪かったため、米プロフットボール(NFL)やスーパーボウルの舞台でもあった「マイアミ・オレンジボウル」の跡地に新球場が設立されたのだ。当初の名称は「マーリンズ・パーク」だったが、2021年以降は住宅ローンの貸付会社「ローンデポ」が命名権を取得した。現在は「ローンデポ・パーク」として親しまれている。

立地条件はマイアミビーチのほど近く、と絶好。マイアミは地理的に熱帯モンスーン気候に分類され、1年を通して平均気温が高く、1月でも気温が10度を下回ることがない。侍ジャパンは良いコンディションで戦うことができそうだ。

ちなみにWBCの開催時期とは関係ないが、真夏でも日中の気温が30度を超えることがほとんどない。真夏のよく晴れた日にはスライド式の屋根が開き、マイアミビーチから吹く爽やかな潮風を感じることができる。

さらに球場は「ゆったり設計」でも知られる。敷地面積自体は「クアーズ・フィールド(ロッキーズ)」、「AT&Tパーク(ジャイアンツ)」に次ぐトップ3の広さ。

一方、客席のキャパシティー約3万7000人はMLBの球場30ヶ所のうち3番目の少なさ。

これは、フィールドの形状がややいびつになっているためで、レフト側の外野席がほとんどなく、その分だけ観客席が少なくなっているためだ。

設計の”余裕”は球場内にも。天然芝の外野中央部よりやや左にはフィールドに向けてスタンドが少し張り出した部分がある。ここには「ホームラン・フィーチャー」と呼ばれるオブジェが飾られている。

そして、「ローンデポ・パーク」一番の目玉といえば、球場内にある熱帯魚が優雅に泳ぐ巨大水槽。

ホームベース右後方、本来ならばバックネットフェンスが設置されている位置に熱帯魚入りの巨大水槽が設置され、客席からもバッチリ見える作りになっている。

熱帯魚も有名なフロリダならではの小粋な遊び心……なのだが、2017年6月、何とダイヤモンドバックスとの公式戦で巨大水槽が割れてしまうというハプニングが発生! そのシーズン絶好調だった捕手リアルミュートが放ったファウルボールが水槽に直撃し、強化ガラスの一部が割れてしまったのだ。幸い、水が飛び出す大惨事には至らなかったため、ファンの間では記念すべき珍事として現在も語り継がれている。

普段のMLB公式戦では、マーリンズがホームランを打つと「ホームラン・フィーチャー」を電飾や花火などで輝かせてお祝いする儀式があり、ファンたちを楽しませている。また球場ロビーでは大道芸人による楽しいパフォーマンスが披露されていたり、フードコートがあったり、はたまた場外にはグッズショップ「バブルヘッド・ミュージアム」があるなどエンタメ要素はふんだん。

第3回WBC(2013)では2次ラウンド、第4回(2017)では1次ラウンドの会場として使用されたことがあるこの球場。マイアミの潮風が感じられる”テーマパーク”に……必ず行くでしょ!? 侍ジャパン。ここで2勝を!。

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