のれん新調 お雛まつり準備進む 真庭・勝山で3月2日スタート

19日に開かれたのれんの引き渡し式

 風情ある町並みを残す真庭市勝山地区を多種多様な雛(ひな)人形で彩る「勝山のお雛まつり」が、3月2~6日に開かれる。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの通常開催。多くの観光客らを楽しませようと、地域住民らの準備が進んでいる。

 JR中国勝山駅前の北側に延びる勝山町並み保存地区から新町商店街までの約1キロ区間を会場に、150軒ほどの民家・商店が、古くから伝わる段飾りや手作り雛を披露する。保存地区内のレンタルスペースFUNAYADOでは、無料の木雛作り体験を実施。地元の愛好家による生け花も会場を華やかに演出する。

 まつりを前に、「のれんの町」としても知られる町並み保存地区では、地元の商店主ら12軒がのれんを新調した。付近の川を浮遊するホタルの光、社業を表す車や自転車の図柄など、注文主の希望を基に染織家・加納容子さん(75)=真庭市=が制作。19日の引き渡し式でお披露目された。

 4月から営業を始める広告会社のロゴマークをのれんに描いてもらった男性(39)は「この町の一員になれた気持ち」と感慨深い様子だった。

 勝山のお雛まつりは1999年から開始。コロナ禍前は2万人の来客を記録する一大イベントだったが、2020年以降は中止や規模縮小を余儀なくされていた。副実行委員長の瀧崎昌恵さん(60)は「開催を待ち望んでいた。一軒一軒の創意工夫した飾り付けを見て、心のこもった『勝山のおもてなし』を堪能してほしい」と話している。

 午前10時~午後3時。問い合わせは勝山観光協会(0867―44―2120)。

勝山のお雛まつりをPRするポスター

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