さぁ、準備できてますか?
ワールド・ベースボール・クラシック2023(WBC)の開幕が3月8日に迫っている。去年のサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会みたいな、日常生活での大きな話題になるだろう。話に合わせられないと、ちょっと困るという感じになる。きっと。
じゃあなんで「クラシック」って言うか知ってます?
「クラシック音楽」というと、「昔の~」みたいなイメージもあるが――。いやいや、大会は2009年からスタートしたもの。王貞治監督の下、松坂大輔が活躍を見せてMVPを獲得し、日本が初優勝を果たした。記憶がはっきりとしている。「古典的な大会」というには年月が浅い。
英語の"Classic"、日本語の辞書上では5つの意味があり、そのなかに「代表的なもの,模範となるもの」「伝統的(に有名な)行事」という意味もあるのだ。それはこの言葉の語源「classici=最上級の市民」からも考えてみるとよく分かる。
英語圏以外にも使われている表現!
「クラシック」の基本的な意味を日本最大級のオンライン辞書「weblio」で引いてみると以下の通りに。
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1 可算名詞 a 一流の作品,古典. b 大文豪,大芸術家.
2 a 可算名詞 (ギリシャ・ローマの)古典作家; 古典作品. b [the classics] (ギリシャ・ローマの)古典; 古典語.
3 可算名詞 a (特定分野の)権威書,名著. b 代表的なもの,模範となるもの.
4 a 可算名詞 伝統的(に有名な)行事. b =classic races.
5 可算名詞 a 伝統[古典]的な(スタイルの)服[車,道具(など)], はやりすたりのない(スタイルの)服. b 《米口語》 クラシックカー 《1925‐48 年型の自動車》
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さらに、上記辞書上の内容とともに語源から考えてみるとよく分かる。
'Classic'の語源は、ラテン語で'古代ローマの市民階級の最上階級'を意味した'classici'。最高のもの、ということだ。
これ、他言語にも派生して使われている。
スペイン語=「エル・クラシコ」。サッカーの国内2大クラブ、レアル・マドリードとバルセロナの伝統的一戦。
オランダ語=「デル・クラシケ」。サッカーの国内2大クラブ、アヤックスとフェイエノールトの伝統的一戦。
スゲーもの=自ずと古い・伝統があるものが多い、という考え方か。ちなみにドイツでは、家探しの際に「物件が古ければ古いほど値段が高い」という傾向もある。
WBC以外にも「クラシック」を冠したコンペティションを持つスポーツはいくつかある。競馬、ボートレース、ロードレース、ゴルフなどだ。これ全部「スゲーもの=自ずと伝統のあるもの」という意味だ。余談だが、韓国のプロサッカー「Kリーグ」は2013年から2016年まで1部リーグの正式名称として「Kリーグクラシック」を採用していた。
3月開幕のWBC。主催・運営するWBCIは「歴史にいつまでも名を残す、一流の大会にしよう」という強い思いがあったんじゃ? そんな想像もしながら世界の選手たちのパフォーマンスを堪能しよう。
そしてこのネタ、ランチタイムなどでの同僚との自慢にご活用を。「なんでクラシックっていうか知ってる?」