「スマホで買える太陽光発電所」で知られるワットストアを運営するベンチャー、(株)チェンジ・ザ・ワールド[山形]が破産

チェンジ・ザ・ワールドの本社が入居する建物(TSR撮影)

 (株)チェンジ・ザ・ワールド(酒田市新橋2-26-20、設立2014(平成26)年2月、資本金8500万円、池田友喜社長)は2月27日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には野田聖子弁護士(永沢総合法律事務所、東京都中央区日本橋3-3-4)が選任された。
 負債は債権者1万2194名に対して38億4084万円。
 ※TSR企業コード:212120930、法人番号:9390001013524

 太陽光発電関連のベンチャー企業。「たくさんのひとりが世界を変える」という企業理念を掲げ、「スマホで買える太陽光発電所」をキャッチフレーズとする「ワットストア」やソーラーシェアリング事業等を展開していた。「ワットストア」は少額から購入可能で、一般個人を対象に販売実績を伸ばしてきた。
 また、池田社長は一般社団法人日本西海岸計画(TSR企業コード:024536598、法人番号:7390005008638、酒田市)の代表理事も兼務し、インキュベーション施設「LIGHT HOUSE」の運営等により地元起業家をサポート。チェンジ・ザ・ワールドおよび池田社長の取り組みは様々な媒体で取り上げられ、ベンチャー企業を対象とするコンクール等でも多くの受賞歴を有していた。
 上場企業からの出資やクラウドファンディングによる資金調達を重ねながら事業を拡大していたが、一方で人件費等のコスト増加や焦付債権の発生などにより余裕のない資金繰りが続いていた。
 2022年1月期には過去最高となる売上高10億9871万円を計上したものの、3億円超の赤字を計上し債務超過に転落。さらに、2022年6月には預託等取引に関する法律が改正され、「ワットストア」に関して法律に準拠した形で事業を継続することが困難となるなど、経営環境が一変した。同年12月に取締役CFO、2023年1月には取締役管理本部長が相次いで辞任するなど信用不安が高まっていたなか、資金繰りが限界に達し今回の措置となった。

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