アベノマスク単価の開示命令 国が敗訴、大阪地裁

山積みになって倉庫に保管されている「アベノマスク」が入った段ボール箱=2021年12月、東京近郊

 政府が新型コロナウイルス対策として全国の世帯に配布した布マスク「アベノマスク」に関する行政文書で、業者に発注した枚数や単価の情報を開示しないのは不当として、神戸学院大の上脇博之教授が国に開示を求めた訴訟の判決で大阪地裁は28日、開示を命じた。徳地淳裁判長は「公にすることで国の財産上の利益を不当に害する恐れはない」と判断した。

 アベノマスクは2020年4月、安倍晋三元首相がマスクの品薄状況の改善を目指し、全世帯への配布を宣言。介護施設や学校にも配られた。会計検査院の20年度決算検査報告によると、厚生労働省が約2億8700万枚、文部科学省が約3千万枚を調達したとされる。

大阪地裁前で、「開示を命令」と書かれた紙を掲げる神戸学院大の上脇博之教授=28日午後

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