ゴルフの「PGM」が新たな一手 ホテル事業に進出

ホテル全景のイメージ(ニュースリリースより)

平和<6412>傘下のゴルフ場運営会社パシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)が新たな一手を打ち出した。同社は「PGMゴルフリゾート沖縄(沖縄県恩納村)」に併設する形で同社初となるホテルの建設に乗り出す。

平和は2022年3月期決算の際に、四大都市圏近郊の良質なゴルフ場を積極的に取得する方針を示していたが、ホテル事業については触れていなかった。さらに新たなゴルフ場の取得と並行して保有ゴルフ場の見直しと入替の検討を進めるとしていた。

今回のホテル事業進出を機にリゾート地での事業拡大にカジが切られることになるのだろうか。

シミュレーションゴルフによるゴルフレッスンも

ホテルは2026年の開業を目指し、2023年春に着工する予定。4万7045平方メートルの敷地に地上10階、地下1階、200室の客室を持つ建物を建設する。プールやビュッフェスタイルのレストラン、バー、エステルームのほか、ガーデンウエディングにも対応できるチャペルなども備える。

また、ゴルファーの利用を想定しシミュレーションゴルフによるゴルフレッスンやフィットネスジムなどの施設も運営する。

PGMゴルフリゾート沖縄は2017 年にプロゴルファーの青木功氏がコースを改造監修したゴルフ場で、地元沖縄のゴルファーのほか多くの観光客が利用している。また沖縄県恩納村は景勝地のためリゾート開発が進んでおり、同社では「非日常的なリゾート気分を満喫できるホテルを目指す」としている。

11年で17ゴルフ場を買収

平和は2011年にPGMを子会社化したあと、安定した収益基盤の構築を目的に積極的にゴルフ場を買収し、この11年ほど間に17のゴルフ場(適時開示情報)を傘下に収めた。

2023年3月期はゴルフ事業が好調なことから、売上高は前年度比15.4%の増収、営業利益は前年度の2.57倍に膨らむ見通しだ。コロナ禍で落ち込んでいた業績が回復していることがホテル事業進出の一因となったことは容易に想像がつく。

ホテル事業の次の一手は何なのか。次のゴルフ場の買収はどこなのか。業績の回復とともに関心が高まりそうだ。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。

© 株式会社ストライク