【厚労省中医協】日薬・森副会長、診療報酬上の特例「適切な対応や配慮を」/「新型コロナウイルス感染症の診療報酬上の取扱い」議論で

【2023.03.01配信】厚生労働省は3月1日、中央社会保険医療協議会 総会を開き、「新型コロナウイルス感染症の診療報酬上の取扱い」を議論した。5類への移行に伴い、診療報酬上の特例的な取り扱いをどうするかが論点になっていた。この中で、日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、コロナ治療薬が国からの提供ではなくなることによる薬局・医療機関の負担の増加などもあるとして、診療報酬上の特例について、適切な対応や配慮を求めた。

日薬・森氏「コロナ治療薬が国からの提供ではなくなることによる薬局・医療機関の負担増加も」

日薬副会長の森氏は、コロナに関わる現場の薬剤師・薬局の対応について説明。コロナ発生以降、常に徹底した感染防止対策に努め、地域住民コロナ治療薬をはじめとする必要な医薬品の提供等に取り組んできたとした。また陽性患者に対しては感染拡大防止の観点から薬剤師が自宅・宿泊療養施設まで訪問し、必要な医薬品を届け、指導をしていると説明。「一定の負担が発生していることはご理解と診療報酬上でのご配慮を頂いているところです」と述べた。

また、店舗では感染対策の工夫を行っていることを説明。陽性患者については患者等へ届けることを原則としているものの、発熱外来を受診し来局する患者の中にはコロナ疑いの患者だけではなく陽性と判明した患者も含まれる。そのため、薬局では患者の動線を分けることが難しいために、感染防止の観点から車の中に待機してもらい薬剤交付したり、あとから自宅に届けたり、駐車場にテントを張りそこで交付するなどの工夫をしているとした。
コロナ治療薬提供については、地域での医薬品提供体制を確保するため輪番制で休日対応している地域もあることを紹介した。

これらのことを踏まえ、診療報酬上の特例については、適切な対応や配慮を求めた。
「コロナの類型が5類に移行することによる患者動向の変化や、コロナ治療薬が国からの提供ではなくなることによる薬局・医療機関の負担の増加、さらに通常は処方箋が発行されない施設から処方箋が発行されるなど、さまざまな状況の変化が予想されます。これらの変化に対応し現場においては引き続き感染対策を実施しつつ、必要なコロナ治療薬等の提供を行えるよう一定の負担が発生しているという視点も含め今後の診療報酬上の特例については適切な対応や配慮などをお願いできればと思います。また今後、想定しない状況が発生した際には柔軟な対応をよろしくお願いします」(森副会長)。

■同日の議論記事
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