
奈良市の東大寺二月堂で1日、伝統の仏教修行「修二会」の本行が始まった。「お水取り」の名でも知られ、古都・奈良に春の訪れを告げる行事とされる。東大寺大仏開眼と同じ奈良時代の752年から途切れることなく続き、今年で1272回目。
修行に勤める11人の僧侶「練行衆」が二月堂本尊の十一面観音菩薩に懺悔し、人々の幸福を願う。寺にこもり、激しく床板に身をたたきつける「五体投地」などの修行を続け、15日に満行を迎える。
午後7時ごろ、長さ約6メートルのたいまつを担いだ世話役の「童子」が燃え盛るたいまつをお堂の欄干から突き出し、駆け抜けると、暗闇に火の粉が降り注いだ。
