2022年から続く食材などの値上げですが、3月は私たちの生活に身近な商品が影響を受ける「家計直撃型」というような状況です。この長引く値上げの波を賢く乗り切るヒントを探してきました。
静岡市葵区にある唐揚げ専門店。唐揚げの調理に欠かせない油が2年前に比べ、約2倍に高騰しています。
<井手春希キャスター>
「見通しが立たたない状況ですが」
<天下鳥ます 静岡店 鈴木方紀店長>
「これからどうなるかが一番心配。これからさらに値上がりしたらどうしたらいいのか」
こちらの店は、唐揚げにかけるソースの豊富さが売りですが、ソースの材料となるマヨネーズなども高騰。値上げをせず経営するには限界が近づいています。
<井手キャスター>
Q値上げをしようと考えないですか?
<天下鳥ます 静岡店 鈴木方紀店長>
「ここから、さらに食材の値上げが続くなら、どこかのタイミングで値上げはしなきゃいけないが、今はギリギリ頑張るしかない」
2022年から長引く値上げの波。ロシアのウクライナ侵攻による小麦などの原材料高と原油高が要因ですが、2023年もその流れは止まらず、帝国データバンクによりますと、3月も3,442品目が値上がりする予定です。
2023年4月までに値上がりする予定の商品の合計が1万4,451品目となっていて、2022年の同じ時期と比べると約3倍のペースで推移。値上がり商品の合計が、2022年より4カ月も早く、1万5,000品目を突破する見込みです。
<井手キャスター>
「ケチャップにソースも値上がり。さらに私たちにもお馴染み『味ぽん』もついに値上がりです」
3月の値上げの特徴は「家計直撃型」。私たちに身近な商品が値上がりする予定で、鍋の季節に欠かせない「味ぽん」も33年ぶりの値上げ。この状況に買い物客もあきらめムードです。
<買い物客>
「(値上げは)困るけど、値上がっちゃったらしょうがない。考えない」
「(値上がりに)何とも思わなくなっちゃった。去年から毎月毎月値上げで、いまさら気にしてもどうしようもない」
家計を圧迫し続ける2022年からの値上げですが、静岡市内のスーパーでは、客の動きにある変化が起きているようです。
<田子重 西中原店 増田克己店長>
「惣菜がずっと伸びていて、よく売れている」
<井手キャスター>
「どうして?」
<田子重 西中原店 増田克己店長>
「商品が出来上がっているので、調理に関わる余分なロスが出ない。欲しいモノだけ購入できる」
食材だけでなく、電気・ガスなどの光熱費も高騰する中、スーパーが製造・販売している惣菜を食卓に一品入れることで、光熱費の削減や食品ロスの削減となり節約につながります。
値上げのラッシュは2023年の春が山場となっていますが、収束するにはまだ少し時間が掛かりそうです。