英メディア「アーセナルは王者の条件得た」 カギは”野獣”への変貌

2月26日 プレミアリーグ・レスター戦でのアーセナル選手の様子 @Getty Images

アーセナルが貴重な勝ち点3を獲得した。

26日午前(日本時間)、イングランド・プレミアリーグ第25節のレスター戦で1―0の勝利を収めた。 

難しい試合だった。レスターが降格圏ギリギリに位置し、リアリティーに徹したサッカーで遮二無二勝ち点3を奪いにくるのは明らかなゲーム。その守備を破壊することがテーマだった。

前半26分、アーセナルのトロサールがゴールネットを揺らしたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の結果、アーセナル側のファウルが認められ得点とはならなかった。 

それでも後半開始早々の1分、速い展開の中でトロサールのサポートを受けたマルティネッリが決勝ゴールを決めた。

以後アーセナルは徹底して中盤を省略するレスターを相手に2倍近い数のパスを試みて追加点を狙うが、なかなか思うようにはいかなかった。

残念な内容。しかし結果は勝ち点3点を獲得した。同節の結果で2位マンチェスター・シティがボーンマスに4―1で勝利。依然として両チームの勝ち点差は2だ。アーセナルは1試合消化が少ない状況で首位をキープしている。薄氷を踏む戦いが続く中、ブレない戦い方が必要だ。

マルティネッリは試合後、プレミアリーグ公式インタビューを通じ

「我々にとって難しい試合になるとわかっていたが、(勝利を)得る資格があると思い、勝ち点3のために踏ん張った。ゴールを決めて勝利し、本当に光栄だ」

と語った。 

レスター戦勝利は、いわゆる「内容よりも結果」を追求したものだった。長いシーズンの中ではそういった試合が必ず必要になるが、内容が乏しいという批判に苦しむ場合がある。

アーセナルの立場ではなおさらだ。

新加入のトロサールを中心にマルティネッリ、サカらレスターと比較しても豊富な攻撃陣をそろえるが、決定力だけが残念な点だった。ボールポゼッション66%:34%、シュート数10:1、パス本数613:315などすべての攻撃指標で優位だったからだ。

最終目標が優勝という点を考えれば、内容より結果を重視する試合があるのも事実。

アルテタ監督はこのような点を考慮して選手たちに勝利だけを強調したようだ。

マルティネッリは「監督は、我々がどんな状況でも勝利しなければならないと言った」と明らかにした。 

多くの現地メディアは、アーセナルのように勝ち点獲得を優先する姿勢こそが優勝チームの条件だと指摘する。

「デイリーメール」は「アーセナルが優勝チームの勝利の方程式を得た」と評価。

「ミラー」は「アーセナルはどんな過程を経ても勝つことを示した。優勝チームの条件だ」と分析した。

いつも美しいサッカーだけで結果が得られなかったアーセナルが、”野獣”に変わっていく。

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