<南風>「学び」とは何だろう?

 去年は4年に1度のワールドカップが開催され、その感動は多くの人の記憶に残っているだろう。そのワールドカップを別の視点で眺めてみると、とても興味深い発見が多くあった。

 決勝トーナメント進出国は、わずか16カ国だが、この中で一番人口が少ない国はどこだか分かるだろうか? ちなみに日本の人口は1億2千5百万人で、多い順に1位のアメリカ、2位のブラジルに次いで第3位となる。最も人口が少なかったのはクロアチアで人口が約390万人である。これは、静岡県の人口358万人と近い。また国土は九州より少し広いくらいである。ちなみにフランスの人口は、日本の約半分であり、ポルトガルの人口は日本の10分の1以下である。

 次にGDPで見てみると、1位はアメリカで、2位が日本である。最も低かったのはセネガルで約300億円となっており、これは神奈川県のGDPとほぼ同じである。ちなみにクロアチアのGDPは約800億円で、東京の約900億円より低い。

 さまざまな視点からワールドカップを考察する中で最も興味深かったのがイングランドである。ネットでイングランド・人口と検索すると、見慣れぬ画像が出てくる。地図がおかしいのだ。今更ながらにハッとした。そうなのだ、イギリスはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの四つの構成国からなる連合王国なのだ。

 こうなると、さまざまな疑問が湧いてくる。先日亡くなられたエリザベス女王は、どこまでの女王なのだ? そもそも最初は一つの国だったのか?

 このように、サッカーから地理や経済、歴史など多くを学べる。私が留学したデンマークでは小学生が交差点で交通調査をして、商用車と自家用車の数などを数えながら、社会と算数(統計)を学んでいた。

(神谷牧人、アソシア代表)

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