先輩に届け 砂で描いた感謝の思い 在校生220人が校庭にサンドアート 沖縄・知念高

 【与那原】卒業式があった知念高校のグラウンドには、運動、文化部に所属する部員220人が、卒業生(78期313人)のために砂で文字をかたどるサンドアートを制作した。同アートをつくるのは初の試み。

 以前宜野湾高校でも取り組んだ経験を持つ照屋拓己教諭と加原美和教諭が提案し、作業は式典前日の2月28日に実施した。バスケットボール部所属の具志成留(なるる)さん(17)と野球部所属の知念翔也さん(17)を先頭に、各部員が総出で作業に取りかかり、約3時間で完成した。グラウンドには桜の花びらをちりばめ、黒砂や石灰を使って「78 卒業 CHINEN」と描いた。桜の花びらは赤のチョークの粉を使用した。チョークは、一本一本石で砕いて、色付けをした。具志さんは「作業は大変だったけど、完成した時はうれしかった。コロナ禍で、他の部員と話す機会がなかったから、交流を深めることができた」と語る。

 式典当日、卒業生たちは迫力のあるサンドアートを見て「すごい」と目を輝かせ、同級生や後輩らと一緒にスマートフォンで記念撮影をしていた。卒業生の比嘉さくらさん(18)は「実は前日に後輩たちが一生懸命作業していたのをこっそり見ていた。作品を見て、とても感激した」と笑顔で語る。真玉橋りいなさん(18)は「コロナ禍で行事の少ない3年間だったけど、サンドアートを見て素晴らしい卒業式を迎えることができた」と喜んだ。

 知念さんは「お世話になった先輩たちの喜ぶ姿を見て胸がいっぱいだ。自分たちの卒業式でもサンドアートができれば」と期待した。

 (金城実倫)

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