聖地で起きた娼婦連続殺人 英雄視される犯人を女性ジャーナリストが追う 「聖地には蜘蛛が巣を張る」予告

2023年4月14日より劇場公開される、2022年第75回カンヌ国際映画祭でザーラ・アミール・エブラヒミが女優賞を受賞した、アリ・アッバシ監督最新作「聖地には蜘蛛が巣を張る」の、日本版予告編が公開された。

予告編は、「俺の話をメモしろ。街中の娼婦を始末してやる」という新聞社に届いた犯行声明の声と、連続殺人犯“スパイダー・キラー”が次のターゲットを探すために夜の街をバイクで走る後ろ姿から始まる。真相を追う女性ジャーナリストのラヒミは、多くの被害者が出ているにもかかわらず犯人が捕まらない状況に、「誰かがかばっている」と疑いを持ち、周辺取材を進める。捜査に消極的な警察のトップは高圧的で、聖職者たちはラヒミの「犯人はイスラム法を実行してるとも」という問いに、「聖職者は常に裏で何かをたくらんでると?」と相手にしない姿が映し出される。

次第にラヒミ自身にも、「態度に気をつけたまえ、特に聖地マシュハドではな」という忠告や、「この事件は忘れろ」と警察に迫られるなど不穏な影が迫るが、自分がおとりになり犯人を追いつめようとする。そんなラヒミの前についに犯人が現れる。「街を浄化するのだ」と殺人を続ける犯人と、「浄化しろ」と犯人を英雄視していく一部の市民。緊張感にあふれた予告編となっている。

「聖地には蜘蛛が巣を張る」は、2000年から2001年にかけてイランで実際に起こった、16人もの犠牲者を出した売春婦連続殺人事件から着想を得て作られた作品。監督を務めたのは、「ボーダー 二つの世界」などで知られる、イラン出身でデンマークやスウェーデンで活躍するアリ・アッバシ。主演の女性ジャーナリストを演じたザーラ・アミール・エブラヒミは、イランで活躍していたが、2008年フランスへ亡命した女優。その後はフランスの映像業界で活躍。2017年にフランス国籍を取得後、意欲的に映画に出演している。

【作品情報】
聖地には蜘蛛が巣を張る
2023年4月14日(金) 新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、TOHOシネマズシャンテ他全国順次公開
配給:ギャガ
©Profile Pictures / One Two Films

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