読書とは、人を愛するレッスンだ。「朝日新聞」名文記者・近藤康太郎の『百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術』発売

近藤康太郎・著『百冊で耕す 〈自由に、なる〉ための読書術』がCCCメディアハウスより発売された。 大ヒット文章読本『三行で撃つ』で話題の「朝日新聞」名文記者による読書術。「書くこと」がアウトプットなら、「読むこと」はインプット。目指すのは、百冊読書家。本は百冊、あればいい。読書とは、人を愛するレッスンだ。著者はそう語る。 巷に存在する、あまたの読書法。そのロジックを理解すれば、より深く読める──。

◎速読/遅読 ◎批判する/憑依される ◎偏食選書/健康選書 ◎かんたん書物/難解書物 ◎抜き書き/暗唱 他

読書なんて人それぞれ。が、どうせ読むなら本を血肉にし、明日の糧にし、善く生きたい。そうした読者の一助となるノウハウを伝える。 目指すのは百冊読書家だ。誰でも買える。誰でも持てる。百冊で耕す。カルティベイトする。ただし注意が必要なのは、「本は百冊読めばいい」ではない、ということだ。自分にとってのカノン(正典)百冊を、自力で選び、深く読み、そして最終的にはその百冊さえも必要なくなるほど、己の一部にする。 そのための方法論を11のテーマで解説していく。各テーマは「速読/遅読」など、対立する二律背反で構成されている。速読か、遅読か? ではない。速読も、遅読も。そうした多様な読み方ができれば、本と共に生きていける。一面的ではない、重層的な読書家になる。そのためのコツ、ロジックを一緒に考えていく。

本は百冊あればいい。

この読書法と、筆1本。

それだけで、35年間、書き続けてきた。

また、同時に、本書は「読むという行為について考え抜くことで、新しい己を知る」思想書でもある。読書のご利益とは、結局、何なのか? なぜ、わたしたちは読むのか? 勉強とは? 孤独とは? 愛とは? 幸せとは? 生きるとは? 読むほどに、自分が鍛えられ、豊かになる。その果てに、他者を、世界を愛し、変わった自分を発見する。

わたしにしか、見えない問いが、世界を変える——

読書とは、問いを獲得するための冒険だ。

終着駅ではない。始発駅に立つために、本は読む。

【著者】

近藤康太郎(こんどう・こうたろう)

朝日新聞編集委員・天草支局長/作家/評論家/百姓/猟師/私塾塾長。1963年、東京・渋谷生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、1987年、朝日新聞社入社。川崎支局、学芸部、AERA編集部、ニューヨーク支局を経て、2021年から現職。新聞紙面では、コラム「多事奏論」、地方での米作りや狩猟体験を通じて資本主義や現代社会までを考察する連載「アロハで田植えしてみました」「アロハで猟師してみました」を担当する。社内外の記者、ライター、映像関係者に文章を教える私塾が評判を呼んでいる。

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