大名行列かご 半世紀ぶり新調 矢掛・道の駅で披露 関係者祝う

お披露目された2代目のかご。右から2人目が堀実行委員長

 江戸時代に参勤交代の宿場町として栄えた岡山県矢掛町を舞台に、毎年11月に繰り広げられる「矢掛の宿場まつり大名行列」で使われるかごが、ほぼ半世紀ぶりに新調された。1日、道の駅・山陽道やかげ宿(同町矢掛)でお披露目され、関係者が祝った。

 従来のかごは、1976年に大名行列を始めた当時の実行委の商店主らが手作りしたもの。修理しながら使用していたが、傷みが目立つようになった上、2025年には開催50回の節目を迎えることから、現在の実行委が町内で寄付を募って新たに作った。

 完成した2代目は、人が乗り込む部分の大きさは初代とほぼ変わらず、幅124センチ、高さ91センチ、奥行き83センチ。デザインも参勤交代でゆかりのある薩摩島津家の家紋を踏襲している。一方で、初代は実際に人を運ぶことはできなかったが、今回は可能となった。

 かごは道の駅でしばらく展示している。26日に近くの本陣通り一帯である「やかげ華まつり」では、大名行列でかごが到着する国重要文化財・旧矢掛本陣(同所)の前で、乗り込んでもらうイベントを計画している。

 道の駅で開かれたお披露目の記念式典では、実行委の堀伸二委員長が「先輩たちが作り上げてきた大名行列に新しい目玉が加わった。伝統を引き継ぎ、これからも盛り上げていきたい」と語った。

かごの内側。実際に人を乗せて運ぶことができるという

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