【新型コロナ】5類変更後、検査と診療は保険診療へ 厚労省方針

 今年5月8日以降、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを「5類」に引き下げるのに伴い政府が検討している医療提供体制の見直し案について、全容が明らかになった。基本的には処方薬以外の検査、診療を保険診療とし、通常通りの医療提供体制へ移行する。単価の高い処方薬は引き続き無料とする。

保険診療移行でインフルエンザ並の費用負担を予想

 今回明らかになった見直し案によると、5類引き下げと同時に、現在無料となっている検査、入院を含む診療・治療行為について、原則として通常の保険診療へ移行する。つまり65歳までは原則3割、高齢者については1割負担になる。診断後に処方される治療薬については薬価が高額なため、引き続き国が負担して無料とする。厚労省では移行後のシミュレーションもしており、3割負担の場合最大で4,170円となり、季節性インフルエンザと同等という見解を示している。

 入院治療となった場合も原則保険診療とするが、高額になった場合、最大で月2万円までの軽減措置を創設する。通常の高額医療制度とは別の枠組みとなる予定。なお医療機関側に対しては、現在病床を確保するための診療報酬追加の特例が認められ、さらに確保したベッドごとに国からの交付金が支給されているが、それぞれ減額および適用条件の厳格化を行う。

 これらの措置自体も通常の医療提供体制への移行措置と位置付けており、今年の夏の感染状況を見極めるため、今年9月までとする意向だ。政府は全国知事会や日本医師会などの関係団体とも協議したうえで、10日頃に正式決定する見通し。

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