【MotoGP2023年マシンギャラリー】開発の焦点はエアロダイナミクス。セパンテストで見る進化

 2023年シーズンのプレテストがマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで始まり、様々な形状のエアロダイナミクスが登場した。今回は空力デバイスに焦点を当てて見ていこう。

 2023年シーズンのセパンテストでは、フロントカウルのウイングの変化よりも“グランドエフェクト・フェアリング”と呼ばれる、サイドカウルの下部が付き出したような形状の空力デバイスが印象的なテストとなった。アプリリアやドゥカティに加えて、KTM、そしてホンダなどが、グランドエフェクト・フェアリングをテストしていた。年々進化するエアロダイナミクスは、外観の印象のみならず、その影響を大きくしている。

■ドゥカティ

 上の写真の空力デバイスは2022年のものと大きな違いはないように見える。対して下の写真では、グランドエフェクト・フェアリングと呼ばれる空力デバイスを備えている。

エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)が走らせていたマシン
同じくバスティアニーニのマシン。グランドエフェクト・フェアリングが付いている

■アプリリア

 2022年シーズン中盤にグランドエフェクト・フェアリングを登場させたアプリリアのマシンは、外観としては2022年から大きな違いはないようだった。グランドエフェクト・フェアリングも維持されている。

アプリリア RS-GP23

■KTM

 KTMも同様に、グランドエフェクト・フェアリングをテストしていた。上の写真には、グランドエフェクト・フェアリングに加えて、サイドカウルの前方下部にダウンウォッシュ・ダクトと呼ばれる空力デバイスが取り付けられている。一方、下の写真はグランドエフェクト・フェアリングのみのマシン。

サイドカウルの下にダクトが付けられている
KTMの“グランドエフェクト・フェアリング”

■ヤマハ

 ヤマハは大きく異なる形状のウイングをテスト。ウイングに関しては、セパンテストで最も大きな変化を見せたメーカーだった。2日目までのそれは平たいものだったが、3日目には角ばったスタイルのウイングが登場した。

平たい形状のウイングはより大きくなった
3日目にフランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がテストしていたウイング

■ホンダ

 2022年型マシンと2023年型マシンを合わせて4台を用意したホンダ。エアインテーク形状などに変化は見られるが、空力デバイスという点では大きな違いは見られない。一部のマシンはグランドエフェクト・フェアリングを備えていた。

ウイングの形状は2021年後半のもの
こちらのウイング形状は2022年の形状
ホンダのグランドエフェクト・フェアリング

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