米のパンダ衰弱、中国で懸念拡大 日本から帰国シャンシャンと比べ

米メンフィスの動物園に貸与されているジャイアントパンダのヤーヤー=2020年10月(ロイター=共同)

 中国のインターネットで、米テネシー州の動物園で暮らすジャイアントパンダの衰弱してやせ細った様子の動画や写真が拡散し、懸念が広がっている。東京・上野動物園で飼育され「日本で大切にしてもらった」との報道があったシャンシャンと比べられている。

 「シャンシャンとヤーヤーの処遇の差は、なぜ大きいのか」。中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)にはシャンシャンが中国に返還された2月21日の直後から、テネシー州メンフィスの動物園に貸与されたヤーヤー、雌、22歳)と比較するハッシュタグ(検索目印)が出現した。

 このタグを付けた書き込みの閲覧回数は3月2日時点で計約1億3千万回。野生の平均寿命を上回り、皮膚病を患うヤーヤーの頬や体がこけた動画や画像が多数出回り「新鮮なササの葉を与えていないのでは」との声が相次いだ。中国動物園協会は、米国で適切に飼育されていると説明し、火消しに追われた。

 メンフィスの動物園では2月1日、ヤーヤーと2003年から暮らすローロー(雄、24歳)が死んでいるのが見つかったばかり。

米メンフィスの動物園に貸与されているジャイアントパンダのヤーヤー=2020年10月(ロイター=共同)

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