
熊本市は2日、半導体関連企業の新規立地を見据えて、新たな工業団地を市内4カ所に造成すると発表した。「集積推進エリア」と称する工業団地で、植木インターチェンジ(IC)、北熊本スマートIC、城南スマートICの各半径1キロ圏内と、県道熊本空港線・国道443号沿線を予定。2024年度中に造成を始め、26年度の誘致企業の操業開始を見込む。
市は世界的半導体メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出を受け、産業用地20ヘクタールを確保して半導体関連企業を10件誘致する目標を掲げている。新たな工業団地はその取り組みの柱で、大西一史市長は2日の市議会予算決算委員会で「1社でも多くの企業に立地してもらうため、作業を急ぐ」と述べた。
民間資本を活用して用地整備を進めることにしており、県内外のデベロッパー(開発事業者)13社から希望する場所を聞き取り、4カ所を選定した。市産業振興課は「土地が確保できる可能性や交通アクセスの良さ、災害リスクの有無も踏まえ総合的に判断した」としている。
今後、市は公募を経て23年8月をめどに各エリアのデベロッパーを決定。24年度中に用地を取得後、造成に着手。25年度中に造成を終えるスケジュールを念頭に置いている。
用地の大半は農地を見込んでおり、市は市街化調整区域で開発する際に容積率を緩和するほか、専門知識を持つ市職員が農地転用の手続きを支援する方針。新規立地に関心を示す企業をデベロッパーに紹介し、工業団地への誘致も後押しする。(河内正一郎)
