ヤンキースのリリーフ左腕・ペラルタ わずか20秒で3球三振を奪う

新ルール「ピッチクロック」が何かと話題になっている今年のオープン戦だが、日本時間3月3日に行われたヤンキースとパイレーツの試合では、ヤンキースの2番手として登板した左腕ワンディ・ペラルタがわずか20秒のあいだに3球を投じ、相手打者を見逃し三振に仕留めるという一幕があった。もともと相手打者のタイミングを外すことには長けているペラルタだが、この日はピッチクロックを利用して超高速投球。メジャー8年目の経験を活かし、3年目のトゥクピタ・マルカーノを完全に翻弄した。

ペラルタは3点リードの2回裏に2番手として登板。先頭の崔志萬(チェ・ジマン)を4球目のスライダーで空振り三振、続くキブライアン・ヘイズを7球目のシンカーで見逃し三振に仕留めると、二死走者なしの場面で7番打者のマルカーノを打席に迎えた。初球のスライダーで見逃しストライクを取ると、捕手からの返球を受けてすぐ投球モーションに入り、2球目のシンカーはファウルチップとなって2ストライク。すぐに3球目を投じ、内角低めのチェンジアップで見逃し三振を奪った。

ヤンキースのアーロン・ブーン監督は「みんなも知っているだろうが、あれが彼のやり方だ」とコメント。「ピッチクロックは彼に相手打者を翻弄するための新たな道具を与えたみたいだね」と31歳のリリーフ左腕の巧みな投球術を称えた。ピッチクロックに適応するだけでなく、その新ルールを利用してみせたペラルタの投球術は見事と言うほかないだろう。

試合はヤンキースがアンソニー・ボルピーの1号ソロとラファエル・オルテガの1号2ランで2回までに3点を先制。その後もエステバン・フロリアルのタイムリー二塁打、オルテガのタイムリー三塁打、アンドレス・チャパロの2号グランドスラムで追加点を奪って9対1で快勝した。敗れたパイレーツは9回裏にドリュー・マッジの1号ソロで1点を返すのが精一杯。開幕投手候補のミッチ・ケラーも2本塁打を浴び、2回4安打3失点とピリッとしなかった。

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