林業と地域の展望語る 田辺市龍神村で和大生

これまでの取り組みの集大成を地域住民に報告する和歌山大学の学生(和歌山県田辺市龍神村安井で)

 和歌山県田辺市龍神村安井の龍神市民センターでこのほど、和歌山大学観光学部の学生8人が、森林資源や林業を通じた龍神村の将来の展望について意見を発表した。学生はこれまで、2年間にわたり地域住民との交流や体験学習、林業関係者らとの議論を重ねており、その集大成を報告した。

 地域と関わりながらさまざまな課題の解決策を模索する和大の「地域連携プログラム」の一環。学生たちは、龍神村で林業の現場を見学したり、住民に取材したりして、森林や林業を生かした地域の未来づくりについて考察を重ねてきた。

 報告では、林業関係者や地域住民の前で「『木と共に、人と共に』~森林が支える未来への挑戦」と題して学生が意見を発表。自分たちの目線で感じた地域の魅力や強みについてまとめたほか、こだわりを持って地域の資源を商品に変えて、それが高い評価を得て龍神ブランドにつながっていることなどを伝えた。また、しっかりと情報を発信しアピールすることで、もっと人が集まってくれるのではないかと提言した。

 その後、林業関係者や地域住民と共にワークショップも実施して、2050年の展望について意見を交わした。地域のつながりづくりのため祭りが重要なことを再確認したほか、森林を含む地域資源を生かした産業と雇用の多様化、地域の魅力を探求し情報を発信することが、地域の活性化につながるといったことも話し合った。

 学生によるこの取り組みは来年度も続ける予定。今後は住民との対話を増やし、学生と地域住民の相互学習の場にしていくことも検討しているという。

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