「ウクライナのことを伝えたい!」武蔵野大学のウクライナ人留学生らがパンフレットを制作

武蔵野大学ランゲージセンターに所属するウクライナからの受入学生であるリリア・モルスカさん、グローバル学部グローバルコミュニケーション学科4年の山岸 咲亜(やまぎし さきあ)さん、菊地 里帆子(きくち りほこ)さん、法学部政治学科4年の岩井 雅治(いわい まさはる)さんが、2022年10月よりウクライナを紹介するパンフレットを制作しました。

「ウクライナのことをもっと知って欲しい」という想いを込めたこのパンフレットは、2月10日に完成しWEB上にて公開中です。

武蔵野大学に通うウクライナ人留学生と日本人学生がウクライナについてのパンフレットを制作・公開

武蔵野大学とは

武蔵野大学は、1924年に仏教精神を根幹にした人格教育を理想に掲げた武蔵野女子学院を前身とする総合大学。

2003年に武蔵野大学に名称を変更すると、2004年の男女共学化以降に大学改革を推進し、12学部20学科・13大学院研究科・通信教育部などを設け、学生数は1万3,000人を超える総合大学に発展しており、2024年で創立100周年の節目を控える歴史ある大学です。

その武蔵野大学のランゲージセンターに所属しているウクライナ人留学生のリリア・モルスカさんは、同大学に通う4年生の日本人学生3名と共に、ウクライナことを紹介するパンフレットを制作しました。

ウクライナを知れるパンフレット制作の経緯

ロシアの侵攻によって、連日ニュースで報じられているウクライナ問題。多くのウクライナ国民が住む場所を奪われ、避難民として国を出ざるを得ない状況に追い込まれています。

リリア・モルスカさんもウクライナからの避難民学生。

「母国ウクライナで日本語学校を設立する」という夢に向かい、武蔵野大学ランゲージセンターでの日本語学習に加え、ドナ・ウィークス国際センター長の呼びかけにより集まったゼミ形式の交流会に参加し、日々「日本語力」を磨いています。

今回制作したパンフレットは、リリアさんと一緒に制作を行ったグローバル学部グローバルコミュニケーション学科4年の山岸さん・菊地さん、法学部政治学科4年の岩井さんの日本人学生3名が、毎週行われている交流会でウクライナのことを知っていったことがきっかけだったそう。

「もっと多くの人にウクライナについて知ってほしい」「ウクライナについて興味・関心を持ってほしい」「ウクライナについて知ったことを形にして残したい」という思いに至ったことから、このパンフレット制作を始動。

今後は、パンフレットを通して多くの人が「ウクライナ」という国名から戦争だけでなく様々な姿を連想してもらえるよう、ウクライナ学生を受け入れている大学・その他公共施設・企業・ウクライナに関連する施設等に対してパンフレットの設置を依頼していくそう。

現在は江東区役所に配布されており、今後も配布先が増える予定となっています。

制作したパンフレット「ソーニャシニク」

パンフレット名「ソーニャシニク」はウクライナ語で「ヒマワリ」を意味する言葉。ヒマワリはウクライナの国花でもあり、「少しでも早く平和な日々が訪れるように」という願いが込めて名付けたそうです。

ウクライナ語・日本語・英語の3カ国語に対応する内容となっており、「ウクライナの基本的な情報(国旗・地図・人口・言語等)」のほか、「伝統料理」「行事」「歴史」「音楽」「著名なアーティスト」「スポーツ選手」「観光地」等、読者に親しみやすい11テーマを紹介。

例えば、

●ウクライナはイースターを大々的にお祝いしている
●映画『ホーム・アローン』の劇中で流れるクリスマスソング“Carol of the Bells”は、ウクライナの民謡を元にマイコラ・レオントヴィッチによって作曲された
●ボルシチは、実はウクライナ発祥の料理と言われている

などなど。

パンフレットはとても分かりやすく見やすいようにまとめられており、これまで知らなかったウクライナのことをもっとよく知ることが出来る、非常に為になるものとなっています。

「新たなウクライナのイメージを伝えたい」

リリアさんは今回のパンフレット制作について、

「昨年、日本に来て多くの人からウクライナについて質問を受け、若いウクライナ人として新たなウクライナのイメージを伝えたいと思いました。日本人の友達と作ったこの「ヒマワリ」という冊子はウクライナの国民や習慣等を紹介しており、太陽のように昔の歴史と現在の状況の関係を明らかにするものと信じています。」

と話されており、ぜひこのパンフレットを読んで欲しいともコメントされています。

また、一緒にこのパンフレットを制作した菊地さんは、

「私自身、東日本大震災の被災者として、リリアさんの経験と重なるところが多くありました。彼女の故郷が多くの方の目に留まってほしいと願う気持ちがこうして形になって嬉しいです。いつか平和な日が訪れたらこのガイドを片手にウクライナに足を運んでいただけたら幸いです。このガイドがウクライナの美しさを知る一助となることを願っています。」

とコメントされました。

今なおニュースやSNSで報じられているウクライナ情勢。しかし、多くの日本人はこうしたネガティブな面しか知らないというのが実情です。

どのような歴史があって、何が美しくて、どんなスポーツが強いのか。ウクライナを代表する料理は何なのか、観光名所はどこなのか。殆ど知らないという方も多いはず。

そんなウクライナのポジティブな面を知ってもらうべく、リリアさんらのプロジェクトチームによって制作されたこのパンフレットは、江東区役所に配布されているほか、今後も多くの企業・公共施設などに配布していく予定とのこと。

オンライン上でも公開しているので、興味がある方はぜひ見てみてはいかがでしょうか。

パンフレット(PDF)及び設置先一覧URL:http://bit.ly/3I1lqbc

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