
演劇界などのハラスメント撲滅に取り組んできた馬奈木厳太郎弁護士(47)から訴訟代理人の立場を利用され、性的関係を執拗に迫られたとして、共に活動してきた俳優の知乃さん(25)が3日、馬奈木氏に1100万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴したと明らかにした。2日付。
馬奈木氏は1日にセクハラ行為を認め、謝罪する文書を公表していた。東京電力福島第1原発事故で避難した住民らによる集団訴訟の代理人を務めていたが、この問題を受け既に辞任している。
知乃さんは東京都内で記者会見し「一生、弁護士として仕事をしてほしくない」と話した。
訴状によると、19年9月以降、会の活動を相談する中で手を握られるなどした。訴訟代理人になってからは打ち合わせと称し、夜に頻繁に呼び出され、体を触られたと主張。22年1月、「次、二人きりであったら、押し倒しそうだよ」とLINE(ライン)でメッセージを受けた。関係を拒むと「なくす会も僕は抜けたほうがいいって話になるよ」と責められ、不本意な性行為に至ったと訴えている。