JR東、アバター使い職人技伝授 仮想空間再現し研修へ

アバター(分身)を通じて仮想空間で電車や線路の維持管理を研修する実験のイメージ(JR東日本スタートアップ提供)

 鉄道関連の技術開発を手がける「JR東日本スタートアップ」が、アバター(分身)を通じて仮想空間で電車や線路の維持管理を研修する実験をしている。車両の屋根上や床下など実車で接する機会が少ない箇所で作業員らが職人技を学ぶのを支援する。アバターは各自の実際の体格を反映しており、文章や映像より感覚的に体得することが可能だ。

 スタートアップ社はJR東のグループ会社で、外部企業と連携して技術開発に取り組む。

 アバターは全身を本人通りに設定できるので「屋根上でどうしゃがめば架線に触れずに済むか」などを実感できる。首都圏で経験する機会が少ない雪の日の状況も再現できる。将来は打音検査など、より熟練が必要な技術の継承に役立てたい考えだ。事故の一歩手前の「ヒヤリ・ハット」事例のシミュレーションにも活用を目指す。

 神奈川県小田原市の車両基地で車庫や車両、社員を撮影して仮想空間を再現した。JR東が承認すれば2023年度以降も実験を続ける。

アバター(分身)を通じて仮想空間で電車や線路の維持管理を研修する実験のイメージ(JR東日本スタートアップ提供)

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