旅人のルーツは日本にも カート・キタヤマの明かされたニックネーム

待望の初優勝に近づきつつあるカート・キタヤマ(Sam Greenwood/Getty Images)

◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待byマスターカード 2日目(3日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)◇7466yd(パー72)

父・クリフォードさんは日系米国人、母・るみ子さんは日本人。30歳のカート・キタヤマが待望のPGAツアー初優勝に近づいた。5アンダーの2位で迎えたこの日、強風のコンディションを「68」。通算9アンダーで単独首位に浮上した。

ルーツは母の出身地である和歌山にもあるが、幼い頃からカリフォルニア育ちで、知る日本語は“あいさつ程度”というところ。エリート選手が集まるPGAツアーでもそのキャリアは異色と言っていい。

ネバダ州立大ラスベガス校卒業後、職場を求めて米下部ツアーからアジアの下部ツアーにも出向いた。2018年の予選会を経て欧州ツアーに進出、19年シーズンにサンシャインツアー(南アフリカ)、アジアンツアーとの共催試合で初勝利を挙げた。

2021年秋、米下部ツアーの入れ替え戦経由でついにPGAツアーに昇格。昨季はフェデックスカップポイントランキング41位で終え、PGAツアーの初タイトルが待ち遠しい。2022―23年シーズン開幕直後の昨年11月「ザ・CJカップ」では、ロリー・マキロイ(北アイルランド)に惜敗の2位に入っている。

米国から太平洋を渡ってユーラシア大陸を西へ、そして大西洋を渡って母国に帰ってきた。長い道のりを「本当にクールだ」と語る。「早いうちにここでは成功できず残念だったけれど、結果的に様々なところで成長できた。それはゴルフに限らない。違う文化、旅を経験してきた。普通ならおそらく行かないであろう場所にも。人間的に成長できたはずだ」

たくましいのはハートだけではない。こちらも日本にゆかりがあるザンダー・シャウフェレが明かした。「僕は彼をクアッズ(QUADZ)と呼んでいる。すごい脚をしているから」。パンパンに膨らんだ太ももから、脚の筋肉が太いという意味のQuadzilla、Quadfatherに由来するニックネーム。広く知られるのも、間もなくだ。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)

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