ジュニア時代のパターでメモを持たず…上野菜々子は「シンプル」に

パターはピンアンサー型50周年記念モデルの「アンサー2」(撮影/中野義昌)

◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス 3日目(4日)◇琉球GC(沖縄県)◇6560yd(パー72)

苦い経験を踏まえ、上野菜々子はジュニア時代のパターを引っ張り出してきた。昨年大会は「フジサンケイレディス」の静岡・川奈ホテルGCと同じコーライグリーンでも「芝目が分かりにくい」という癖の違いに悩んだ。予選ラウンドの平均パット数36、通算10オーバーで決勝進出を逃した。今年は違う。この日、6バーディ、1ボギーの「67」で回って通算7アンダー、トップと2打差2位で最終日を迎える。

「去年はエースパターを持って行ったら考えすぎてドツボにはまった。今年は“もう何も悩まずに、その場の雰囲気で打てるように”といつも使っていないパターを使おうって。7年前ぐらいの、ジュニアの時に使っていたやつを家から引っ張り出してきた」。昨年の予選落ち直後に、違うパターを使うと決めた。効果抜群?で予選の平均パット数29.50。この日は27パットだ。「長いのも、短いのも決めきれた。攻略したとは言えないけど、何も考えずにただカップに寄って行った感じ」

2000年生まれ22歳の上野菜々子。マインドは「シンプル」に(撮影/中野義昌)

もう1つ、今年は「コースメモを持たない」と決めている。「昨年一年を通して、結局あまり見なかったんです。見るよりキャディさんに聞く方が早いし、やることはシンプルになっていく」。あえて情報を入れ過ぎないことが上位争いにつながっているという。

昨季メルセデスランキング55位の資格で、今季は前半戦の出場権を得て、シードを狙う。「(55位が)自分の実力だって受け止めた。優勝したい、シードを獲りたいって思いました」と初優勝へ気合を込める。最終日最終組はアマチュア時代の2018年「大王製紙エリエールレディス」以来。当時は優勝した勝みなみのバーディ奪取に「ギャラリー感覚」にさせられたが、プロとして迎える勝負の一戦。これまでの経験をぶつける。(沖縄県南城市/石井操)

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