荒木山古墳 新発見の石列に熱視線 真庭、地元保存会メンバーが解説

保存会員(水色のヘルメット)による解説で、石列などを確認する見学者

 真庭市と同志社大、地元住民で発掘調査を進めている4世紀の前方後円墳・荒木山西塚古墳(同市上水田)で4日、現地説明会が開かれた。県内外から詰めかけた考古学ファンらが貴重な遺構を前に目を見張るとともに、住民参画型の調査手法にも関心を寄せた。

 昨年11月末、2年計画の調査に着手。2022年度は墳丘の後円部側を発掘し、墳裾(すそ)部分で外表施設の石列を確認。古墳に置かれたと考えられる壺(つぼ)形土器2点も出土した。

 現地説明会には約130人が参加。地元の北房文化遺産保存会メンバーが「当初は想定されていなかった石列をはじめ貴重な発見があった」などと説明し、見学者は試掘溝を熱心にのぞき込み、写真に収めていた。墳頂部では従来想定された埋葬主体以外に、副室とみられる施設の存在を示す地中レーダー探査の結果解説も注目を集めた。

 「住民の皆さんの熱意に感動した。成果も素晴らしく、ロマンあふれる古墳と分かった」と岡山市中区の女性(61)。保存会の畦田正博会長は「地元の宝である古墳を次世代につなげるため引き続き頑張りたい」と話した。

 調査は10日ごろまで実施。23年度は前方部側の発掘などを予定する。

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