産学研究の拠点完成 県立大情報セキュリティセンター 長崎

完成した情報セキュリティ産学共同研究センター内を見学する関係者=長与町、県立大シーボルト校

 県公立大学法人(稲永忍理事長)が西彼長与町の県立大シーボルト校内に建設していた情報セキュリティ産学共同研究センターが完成し、4日、記念式典と関係者の内覧会があった。本県に進出する島津製作所(京都市)などの民間企業と同大が共同研究に取り組む拠点として、新年度から稼働する。
 同センターは情報セキュリティー分野での実践的な人材育成を目的に、約20億円の事業費をかけて建設。大学のサーバーとは独立した通信事業者用の高性能サーバーを演習用に導入した。国内の大学では数カ所しかない最先端設備という。
 建物には同大情報システム学部情報セキュリティ学科が入り、演習や実験を行うほか、民間企業が入居する共同ラボを設置。同製作所のほか、情報セキュリティー関連の研究や事業を進めているエヌ・エフ・ラボラトリーズ(東京)、ラック(同)、網屋(同)、大成建設(同)の計5社が入る。コミュニケーションスペースも設け、教員や学生と企業関係者が日常的に交流する環境が整った。
 式典には関係者約100人が参加。大石賢吾知事らがサーバー室に点灯するセレモニーを実施。真新しい建物内を見学した。
 センターの設計に携わった岡田雅之同学科教授は、取材に対し「学生には、コンピューターを安全に活用しながら社会を豊かにしていく仕組みをデザインできるようになってほしい。全世界の情報ネットワークの安全に長崎から貢献していけたら」と話している。


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