先日、京都の大雪の影響で西日本エリアでは列車の遅延が見られました。このように、日本は地理的立地の特性上、冬にユーラシア大陸から吹く北西季節風が日本海の水分を吸収し、日本の中央の山々にぶつかって大雪をもたらします。
大雪が降る地域では鉄道を安全に運行するために様々な対策を行う必要があり、中でも高速走行をする新幹線は、雪の上を走行すると雪が舞い上がり車体にダメージを与えるリスクが高くなってしまいます。雪が降ったら運休するという選択肢もありますが、日本の大動脈である新幹線を止めてしまうと多くの人に影響を与えてしまうため、避けたい選択肢です。
そこで、日本の新幹線では舞い上がった雪が車体に付着してダメージを与えてしまうことを防止するために、世界でも珍しいある対策を行っています。それはどのような対策でしょうか?
【ヒント】
クルマの車体が汚れた時、汚れをきれいにするにはどのようなことをするか考えてみてください。また、高速で走行する新幹線に付着した雪を人の手で落とすのは危険です。
解答と解説
【答え】
スプリンクラーという装置を使って温水を車体に撒くことで雪を落とす
【解説】
「散水消雪方式」という方式で、スプリンクラーという装置で温水を車体に当てて新幹線の車体に付着した雪を落とします。東海道新幹線の米原駅や上越新幹線の越後湯沢駅や浦佐駅など、冬の雪量が多い地域で用いられている方法です。
旅行や出張で東海道新幹線を利用する時や、スキー・スノーボードをするために上越新幹線を利用する時は是非、駅や車内から線路の様子をよく観察してみてください。線路横の装置から水が噴射されている様子が見られると思います。日本の新幹線の安全を守る、縁の下の力持ち的な存在です。
(写真:PIXTA)