赤旗中断のレース2、バウティスタがチームメイトを下して優勝/SBK第2戦インドネシア

 スーパーバイク世界選手権(SBK)第2戦インドネシアラウンドがプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで行われ、レース1とレース2でアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)、スーパーポール・レースでトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハ・プロメテオン・ワールドSBK)が優勝した。

■レース1:序盤にトップを奪ったバウティスタが優勝

 スーパーポールではトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハ・プロメテオン・ワールドSBK)がポールポジション、アンドレア・ロカテッリ(パタ・ヤマハ・プロメテオン・ワールドSBK)が2番手で、パタ・ヤマハ・プロメテオン・ワールドSBKの二人が予選トップ2を獲得した。3番手はアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)、4番手はマイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)。こちらもAruba.it レーシング-ドゥカティの二人が続いている。

 一方、ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)は5番手タイムを記録したが、スーパーポール中のスロー走行により3グリッド降格のペナルティが科され、3列目8番グリッドからのスタートとなった。

 レース1は気温30度、路面温度49度のドライコンディションで行われた。ポールポジションスタートのラズガットリオグルがトップで1コーナーに入り、2番手にバウティスタが続く中、そのすぐ後ろにいたリナルディがアクセル・バッサーニ(モトコルサ・レーシング)と接触して転倒を喫する。

 トップはラズガットリオグル、2番手がバウティスタで、その後ろに3番手のバッサーニ、少し離れて4番手にダニロ・ペトルッチ(バーニー・スパーク・レーシングチーム)が続く展開となった。2番グリッドからのスタートとなったロカテッリは5番手に後退。8番グリッドスタートのレイは7番手を走行する。

 4周目にはペトルッチに代わってロカテッリが4番手に浮上し、レイは6番手にポジションを上げた。序盤はトップのラズガットリオグルから8番手のチャビ・ビエルゲ(チームHRC)までが大きな集団を形成する。5周目、それまでラズガットリオグルの背につけていたバウティスタが15コーナーでラズガットリオグルをとらえ、トップに浮上した。

 トップに立ったバウティスタはファステストラップを記録しながら後方との差を築いていった。また、2番手のラズガットリオグル、そして11周目に3番手に浮上したロカテッリとの差も開き、トップ3はそれぞれ単独走行となる。

 バウティスタはそのままトップを独走して優勝した。2位にはラズガットリオグル、3位にはロカテッリが入り、パタ・ヤマハ・プロメテオン・ワールドSBKが2位と3位を獲得している。

 中盤まで3番手を走行していたバッサーニは4位。2023年シーズンからSBKに参戦する元MotoGPライダー、ペトルッチは5位でゴールした。8番手からスタートしたレイはペースが上がらず、9位でレースを終えている。

■レース2:チームメイト同士の争いは2022年王者に軍配

 日曜日のスーパーポール・レースは1周目に2コーナーで3台が絡む転倒が発生し、このアクシデントによってレースは赤旗中断となる。路面の回復作業が行われたのち、8周で再開された。

 レースはラズガットリオグルが優勝。2位はロカテッリで、パタ・ヤマハ・プロメテオン・ワールドSBKがワン・ツーを獲得した。3位はロウズだった。バウティスタは4周目にレイと接触し、転倒リタイア。レイもバウティスタとのアクシデントにより後退し、4位に終わった。

 レース2はスーパーポール・レースの結果により、ラズガットリオグルがポールポジション、ロカテッリが2番グリッド、ロウズが3番グリッドというフロントロウ。レイは4番手、転倒を喫したバウティスタは4列目10番手からのスタートとなった。

 ホールショットを奪ったのはポールポジションスタートのラズガットリオグル。2番手にはチームメイトのロカテッリが続き、そして3番手にはレイが浮上した。4列目という後方からのスタートとなったバウティスタは1周目を終えて8番手。

 2周目を迎え、ロカテッリがラズガットリオグルにオーバーテイクを仕掛ける。このとき同時にバッサーニがラズガットリオグルのインサイドに入り、アウト側にいたラズガットリオグルと軽く接触。ラズガットリオグルは後退し、ロカテッリもその後、7番手にポジションを落とした。

 トップに立ったのはバッサーニ、2番手にレイ、3番手にリナルディ。さらにロウズ、ラズガットリオグル、ビエッティ、ロカテッリ、そしてバウティスタなどが連なる状況だ。4周目にはリナルディがバッサーニとレイをかわしてトップに立った。

 4周目、2番手を走るバッサーニの「無責任なライディング」に対し、1ポジションダウンのペナルティが科される。バッサーニはその後、後方のロウズにポジションを譲り、このときラズガットリオグルがポジションを奪ったため、バッサーニが4番手にポジションダウンした。

 7周目にしてトップを走るリナルディは2番手のラズガットリオグルとの間に2秒以上の差を築いており、2番手に浮上したラズガットリオグルも3番手以下にアドバンテージを築きつつあった。3番手争いはビエルゲ、バウティスタ、レイ、バッサーニ、ロカテッリなどによってし烈な争いとなり、ライダーたちは何度もポジションを入れ替える接近戦を演じる。

 しかし8周目、11コーナーでマイケル・ファン・デル・マーク(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)とフィリップ・エッテル(チーム・ゴーイレブン)の転倒が発生したことで、赤旗が提示され、レースは一時中断となった。

 路面の清掃作業が行われ、約20分間の中断を経て、周回数14周でレースは再開。最後の計測ポイント通過順位を元に、再スタートレースのグリッドが決定された。ポールポジションはリナルディ、2番手はラズガットリオグル、3番手はビエルゲ。4番手にバウティスタ、5番手にレイが並んだ。

 再開されたレースは気温31度、路面温度54度のドライコンディションで始まった。2度目のスタートではリナルディがホールショットを奪い、2番手にラズガットリオグル、そして3番手にはバウティスタが浮上する。バウティスタの後ろにはビエルゲ、レイ、バッサーニが続いた。

 リナルディ、ラズガットリオグル、、バウティスタの3人は、2周目以降にじりじりと4番手以下を引き離していく。さらにその中でも、トップのリナルディが抜け出す展開。ラズガットリオグルとバウティスタは接戦の2番手争いを展開していた。

 4周目、バウティスタは15コーナーでラズガットリオグルをとらえ、2番手に浮上した。このとき、トップのリナルディとバウティスタとの差は、約1.5秒。リナルディはファステストラップを記録しながらトップを走っていたが、バウティスタはその差を少しずつ詰めていく。バウティスタは7周目にファステストラップを記録し、リナルディを追う。

レース2でトップ争いを演じたリナルディとバウティスタ

 残り5周。リナルディとバウティスタとの差は1秒を切った。残り4周、差は0.3秒、さらに0.1秒にまで縮まり、リナルディのアドバンテージはなくなった。残り2周の10コーナーで、ついにバウティスタがリナルディをパス。トップと2番手が入れ替わった。

 優勝を飾ったのはバウティスタ。リナルディが最終ラップの10コーナーで大きくはらんだため、ラズガットリオグルがポジションを上げて2位でゴール。3位はビエルゲで、自身としてSBKで初表彰台を獲得した。レースのほとんどをリードしたリナルディは4位。レイは6番手走行中だった9周目の7コーナーでスリップダウンを喫し、リタイアだった。

 スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、序盤に雨が落ちたレース1でジャン・オンジュ(カワサキ・プチェッティ・レーシング)が優勝した。フェデリコ・カリカスロ(アルテア・レーシングチーム)が2位、ニキ・トゥーリ(ダイナボルト・トライアンフ)が3位を獲得している。レース2では最後までトップ争いが繰り広げられ、カリカスロが優勝。ステファノ・マンジ(テンケイト・レーシング・ヤマハ)が2位でゴールし、ニコロ・ブレガ(Arubaレーシング・ワールドSSPチーム)が3位だった。

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