「いつか終わりは来る」 申ジエは仲間の“引退”に闘志を燃やす

永久シード獲得まであと3勝。現役でまだまだ駆け抜ける(撮影/中野義昌)

◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス 最終日(5日)◇琉球GC(沖縄県)◇6560yd(パー72)

次々とツアーの第一線から去りゆく仲間に、34歳の申ジエ(韓国)は「自分の選手生命がいつまで続くか分からないけど、体をケアして強くしていかないといけない」と力を込める。2021年にキム・ハヌル、ペ・ヒギョン、22年には米ツアーが主戦場だったチェ・ナヨン、そして同い年のイ・ボミも今季限りでの日本ツアー引退を表明した。しかし、自分は昨年に手術した両肘がようやく回復してきたところだ。

世界中で実に通算63勝(撮影/中野義昌)

「自分の同期や友達がどんどん引退してツアーを離れて行く。自分の体力も一年間維持するのに気を遣っていかなければいけないので、今年は頑張りたい気持ちが強い」。オフに注力したトレーニングで「20代の時ぐらいには戻ったかな」とちょっぴり太くなった両腕に笑みをこぼす。「いつか終わりは来る」と分かっているからこそ、目標の「年間女王」と「永久シード」を手にしたい思いが強まる。

予選ラウンドで1組違いだったイ・ボミに「一緒に、いい勝負をしたい」と声を掛けた。「イ・ボミ選手が『最後の年だけど、ジエが頑張れば見に来るよ』って言ってくれて。でも、そうじゃなくて、もっと一緒に試合で頑張りたい、一緒に頑張ろう、と言いました」。そんな思いがこぼれるかのように、開幕戦Vをつかみ取った。

世界中で63勝になった。「私は世界のツアーを全てカウントしてのものだけど、不動(裕理)さんは日本ツアーだけで50勝。私はあと何年やれるか分からないけど、ツアー会場に不動さんがいるのはうれしいし、そういう素晴らしいベテランが試合に参加してくれるのは私の力にもなる」。46歳で今大会にも出場した日本の大先輩の背中を追いかける。(沖縄県南城市/石井操)

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