
岸田文雄首相は6日の参院予算委員会で、放送法の「政治的公平」に関する文書を巡り「従来の解釈を変えることなく、補充的な説明を行ったものだ。報道の自由への介入といった指摘は当たらない」と述べた。総務省の今川拓郎官房長は、議論の主導役として文書に登場する礒崎陽輔元首相補佐官から2015年ごろに放送法の解釈について問い合わせがあったと認めた。
文書は、立憲民主党の小西洋之氏が安倍政権当時に総務省で作成されたとして公表。14~15年に官邸と総務省が放送法を巡り協議した経緯とされる。野党は個別の番組に圧力をかける目的があったとみて批判している。
首相は文書に関し、当時、総務相を務めていた高市早苗経済安全保障担当相が正確ではないと指摘しているとして「総務省において精査することが必要だ」と述べるにとどめた。立民の石橋通宏氏から精査過程で改ざんなどをしないよう求められ「公文書の改ざん、隠蔽、廃棄はあってはならない」と答えた。