実の父親からの性的虐待「『好きだからやるんよ 誰にも言っちゃいけない』とずっと言われてきて…」 2審始まる

幼いころ、実の父親から受けた性的虐待が原因で大人になってからPTSDを発症したとして、父親への損害賠償を求めた裁判の控訴審が始まりました。

原告の女性40代
「『好きだからやるんよ。誰にも言っちゃいけない』とずっと言われてきて、被害に遭っているっていうのが分からない。そのうちそのことが苦痛すぎて自分の頭で考えられなくなっている」

この裁判は、広島市の40代の女性が子どものころに実の父親から性的虐待を受け、その後、20年以上経った大人になってからフラッシュバックなどのPTSDを発症したとして、父親におよそ3700万円の損害賠償を求めたものです。

1審の広島地裁は、去年10月の判決で性的虐待があったことは認めたものの、「20年以上前に発生した被害のため、損害賠償を請求できる期間は過ぎている」として訴えを退け、女性は控訴しました。

6日、広島高裁で開かれた2審の第1回弁論…。父親側は控訴を退けるよう求め、今後の裁判の進め方について、女性側・父親側の双方が話し合いました。

女性の代理人 寺西環江 弁護士
「(性被害を受けると)何かをするまでに時間がかかる。いかに心と体を傷つけられるか。だからこそ訴えるのが難しいんだということをぜひ分かってほしいと思っています」

女性側は、2審では、被害から時間が経って発症するPTSDの特徴などについて専門家の意見書や論文で裏付けすることで、「症状の発症」からはまだ20年が経っていないことなどを訴える予定です。

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