加江田渓谷に「学習の森」 児童へ初の学習会

加江田渓谷の会が整備した「学習の森」で、初めて開かれた学習会

 植樹から10年、立派な森に―。宮崎市・加江田渓谷のガイドや環境保全に携わる「加江田渓谷の会」(渡邊泰己会長、12人)が、同渓谷内に植樹した約千本の木々が豊かな森に成長している。「学習の森」と名付け、3日には近くの鏡洲小(佐島鉄朗校長、23人)児童向けに初の学習会を開催。会員らは「子どもたちに森の大切さを伝えたい」と思いを新たにする。
 同会は、渓谷内に自然の豊かさを学べる見本林をつくろうと計画し、渡邊会長(71)が「からかさ淵」周辺の私有林を提供。2013年3月3日、市民約120人が参加して植樹祭を開き、45アールの山林にイチイガシやイロハモミジ、クヌギなど25種1020本を植えた。会員らが定期的に下草を刈り、歩道を整備するなど丁寧に管理を続け、木々は順調に生育した。
 学習会では、会員7人が学習の森を案内。常緑樹と落葉樹の違いや木が成長する仕組みなどを解説し、「木も人間と一緒で、樹種や条件によって成長の速さが違う」と呼びかけた。6年の久松明音さん(12)は「10年前は小さかった木が時間をかけて大きくなるなんて不思議」と感心した様子だった。
 渡邊会長は「子どもたちに自然に触れてもらい、森の役割を伝えたい。一般向けのガイドでも学習の森を活用できれば」と話している。

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