先月17日から開幕したJリーグ。
今月4日からJ3も始まり、各チームで新進気鋭のルーキーたちが活躍してチームに大きく貢献している。今回は特筆すべきルーキー選手を5人ピックアップした。
山田新
所属チーム:J1川崎フロンターレ
今季第2節鹿島戦、出場時間わずか11分で値千金の同点弾を右足で叩き込み、チームを2-1の逆転勝利に導いた。
中学から川崎の下部組織に入団し、身体能力の高さとスピードで違いを見せた。
桐蔭横浜大入学後は得点能力が開花。勝敗を決するタイミングで得点を決める勝負強さを身に着けた。今年元日に行われた新潟医療福祉大との全日本大学選手権(インカレ)決勝では、バー直撃のオーバーヘッドキックを見せ、豪快なミドルシュートから決勝弾を挙げて同大初の栄冠を勝ち取った。
昨季は特別指定選手としてリーグ杯1試合に出場。今季はまだ先発出場を果たしていないが、持ち前の推進力と圧倒的な身体能力で決定的な場面での期待が高まる。川崎の新フィジカルモンスターの活躍から目が離せない。
中野就斗
所属チーム:J1サンフレッチェ広島
ルーキーながら2年連続で開幕戦のピッチに立った中野。
守備的ポジションはCBだけでなく、SB、WB、DHもこなせるマルチロールで、対人能力と豊富な運動量で広大なスペースをカバーする守備力に定評がある。
さらにポジションは左右のサイドポジションもこなし、縦に上がる推進力や、正確なロングフィードも光る。
桐生第一高校を経て桐蔭横浜大へ進学し、総合力が高いプレーを生かして大学屈指のポリバレントなDFに成長した。
昨年はU-23日本代表に選出され、カンボジア遠征に帯同。今年初めのインカレ決勝では、キャプテンマークを巻いて攻守に奮闘。チーム初となる全国制覇をもたらした。
昨季は特別指定で開幕鳥栖戦にデビューし、右WBで存在感を見せた。今季は開幕から2試合連続で先発出場と指揮官からの信頼も厚い。
あらゆる局面で存在感を発揮できるユーティリティルーキーは、広島の最終ラインで堅守を築き上げる。
近藤友喜
所属チーム:J1横浜FC
日本大学3年次に横浜FCから内定を勝ち取った俊英は、特別指定選手時代だけで11試合に出場した。
今季は開幕戦からスタメンを勝ち取り、第2節湘南戦では開始1分に正確なラストパスで小川航基の先制弾をアシストした。
前橋育英高校から日本大学へ進み、サイドで違いを作れるプレーヤーとして躍動。プロとの二足の草鞋で大学リーグでも主力としてプレーし、昨季は関東2部リーグで21試合9ゴール4アシストの活躍で、悲願の関東1部復帰に大きく貢献した。
今季は右WGで出場しているが、SBやWBもこなす器用さを持ち合わせている。スピードを生かしたスプリントに、身長172センチながら長身選手にも競り勝つジャンプ力を有する。また正確な判断力を生かしたプレー選択が秀逸で、絶妙なタイミングで放り込む鋭いクロスやラストパスは横浜FCイレブンの攻撃を活性化する。
ルーキーながらプロの舞台は3年目。チーム躍進の鍵はハマのスーパールーキーが握っている。
小森飛絢
所属チーム:J2ジェフユナイテッド市原・千葉
開幕から3試合連続でゴールを決めている注目株は、優れたボディバランスと空中戦の強さが目立つストライカーだ。
富山第一高在籍時は2018年開催の全国高校総体(インターハイ)で得点王に輝くなど、高校時代から得点への嗅覚は際立つものがあった。
高校卒業後は新潟医療福祉大へ進学し、2021年開催の北信越学生リーグ1部では31得点と大爆発。比類なき北陸の得点王は、プロ注目の目玉となった。大学4年次はカンボジアに遠征するU-23日本代表に選ばれた。大学最後の全日本大学選手権ではチームを初の準優勝に導くなど、傑出した活躍を見せた。
昨季は特別指定選手として2試合に出場も、得点ゼロと不発に終わった。今季は開幕から得点を重ねている好調なホープが、14季ぶりのJ1復帰を手繰り寄せる。
後藤啓介
所属チーム:J2ジュビロ磐田
今季J2開幕岡山戦、出場わずか26分間でクラブ最年少ゴールを含め2得点を挙げた超新星は、17歳の高校2年生だった。
昨年チームはFWファビアン・ゴンザレスの契約をめぐり、FIFAから2023シーズンの補強禁止処分を命じられたが、後藤の存在が希望の光となった。
191センチの長身を生かした空中戦の強さ、優れた足下の技術も持ち合わせる万能型FW。下部組織時代はCBやボランチをこなすポリバレントな能力と、高い戦術理解能力に定評があった。
昨季J1昇格プレーオフに進出した岡山に3点リードを許す中、今季からトップチームに昇格した後藤は逆境に動じない強靭なメンタリティを見せつけた。
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