とちあいかの販売力強化 栄養面、食味を強調 栃木県がテストマーケティング

とちあいかの特徴を掲示したスーパーの販売コーナー=川崎市

 イチゴの本県オリジナル品種「とちあいか」のブランド力向上を目指し、栃木県は首都圏のスーパーで、とちあいか特有の価値「ユニークセリングポイント」をうたったテストマーケティングを進めている。イチゴに含まれる栄養素や食味などを強調して販売し、購買にどう影響するかを分析する。販売力の強化につなげたい考えだ。

 栄養面を強調したイチゴの販売活動は、県として初の試みという。これまでと違った視点でPRする効果を確認する。食味の特徴も合わせて紹介し、とちあいかの認知度向上も狙う。

 県はとちあいかのユニークセリングポイントを見極めるため、栄養士や市場関係者らでつくるプロジェクトチームを昨年3月に立ち上げた。長期的な購買につなげようと、今回はターゲットを若い女性に設定。ビタミンCのほか、葉酸などの栄養面を強調した。

 県経済流通課によると、葉酸は胎児の健康に必須とされる栄養素で、イチゴの生食による摂取は、サプリメントよりも吸収が良い。過剰摂取による副作用も発生しにくいという。

 県は2月、都内などの東急ストア計80店のイチゴ販売コーナーで、とちあいかの栄養面や酸味が少なく甘みが際立つ点、断面がハート形などの魅力を伝えるポップを掲示。パンフレットも配布した。販売データの分析や店舗へのアンケートで効果を調べ、新たな販売方法などを検討する。

 同課は「栄養成分は大きな訴求ポイントになる。若い時からイチゴを食べ、それが習慣になればいい」としている。

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