「石木ダム完成で進む」 南北の水源格差対策 佐世保市議会

 定例佐世保市議会は6日、一般質問を続行し6人が登壇。市南部で発生した渇水を巡り、市水道局は、南部と北部の水源格差を解消する抜本的な対策について、県と市が東彼川棚町で計画する石木ダム建設事業の完成で進むと強調した。
 小田徳顕議員(共産)の質問に、中島勝利局長が答えた。
 同市では、昨秋以降の少雨で南部の水源「下の原ダム」の貯水率が50%台に低下。同局は1月4日に南部水系の渇水対策本部を設置し、3月3日に解散するまで市民に節水を呼びかけた。
 中島局長は、1994年の大渇水後、南北水源の格差を解消する対策は「可能な限り完了した」と説明した。一方、近年は気候変動で降雨が局地化し、「今年は南部の降水量が非常に少ない状況が続いている」と強調。「(南北で)融通可能な水源そのものが不足している。抜本的対策は石木ダムの完成をもって進めていくべきだ」と述べた。
 一方、石木ダムを巡っては、建設予定地の住民13世帯が反対を続けている。小田議員は「ダムにこだわらず、現実的に可能な対策の中から建設的な計画を立てることが、市民の利益につながる」と指摘した。

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