H3ロケット1号機、失敗 2段目点火せず指令破壊

地球観測衛星だいち3号を載せ、上昇するH3ロケット1号機=7日午前10時38分、鹿児島県の種子島宇宙センター

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は7日午前10時37分ごろ、日本の新型主力機H3ロケット1号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から発射したが、離陸後に2段目エンジンが点火せず失敗した。ミッションを達成する見込みがなく、JAXAは地上から信号を送って機体を破壊した。地球観測衛星だいち3号を予定の軌道に投入するはずだった。2月17日には発射寸前に機器の誤動作で中断し、今回が再挑戦だった。

 失敗を受けて文部科学省は対策本部会合を開き、井出庸生副大臣は「徹底的な原因究明が必要だ。信頼を取り戻すべく全力で臨む」と話した。文科省によると、指令破壊の信号は午前10時51分に出された。H3ロケットの指令破壊による第三者への被害は確認されていない。永岡桂子文科相は「大変遺憾であり、期待に沿えないことを申し訳なく思います」との談話を発表した。

 JAXAによると、1号機は発射から5分15秒後に2段目エンジンを点火する予定だった。JAXAは7日午後に記者会見する。

 H3は2001年に登場したH2Aロケットの後継機。

地球観測衛星だいち3号を載せ、打ち上げられるH3ロケット1号機=7日午前10時37分、鹿児島県の種子島宇宙センター

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