中国外相、日本の米追随をけん制 「友好望む」も歴史問題で批判

記者会見する中国の秦剛外相=7日、北京(共同)

 【北京共同】中国の秦剛外相は7日、北京で開催中の全国人民代表大会(全人代)で記者会見し、日中関係について「善隣友好の関係を望む」としながら、日本は「新冷戦」に参画して中国に圧力を加えるべきではないと訴え、米国に追随しないようけん制した。歴史問題を取り上げ「日本の軍国主義はかつて中華民族を深く傷つけた」と批判。「互いに脅威とならない」との日中両政府間の原則を守るべきだと訴えた。

 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出について「日本一国の問題ではなく、海洋環境と人類の健康に関わる問題だ」と懸念を表明し、責任ある態度で処理すべきだとの立場を示した。

 台湾問題には「越えてはならないレッドライン」があるとし「米国が中国の内政に干渉しないよう求める」とけん制した。秦氏は台湾は「中国の神聖な領土の一部だ」とし、台湾の平和統一を目指すとしつつ「あらゆる必要な措置を取る選択肢を保留する」と述べ、武力行使を放棄しない立場を強調した。

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