アレクサで家電操作、サウンドバス…最近の賃貸物件トレンド 防犯意識やコロナ禍を背景に年々設備充実

対応する家電などを声で操作できる「アレクサ」の端末
入浴しながら音楽を楽しめるサウンドバス

 進学や異動で賃貸物件を探す人が増える時期。防犯意識の高まりやコロナ禍を背景に、アパートやマンションの設備は年々充実する傾向にあるそうだ。福井県内の物件でもじわじわ増えているという、くらしを便利で快適にしてくれる設備を、賃貸物件仲介「エルピス」(福井市)の桑内克治店長(40)に教えてもらった。

▽AIサービス、声で家電操作

 2月に完成した物件に導入されたのが、インターネット通販大手「アマゾン」の音声を使った人工知能(AI)サービス「アレクサ」。壁に操作端末が設置されていて、入居後に設定すればエアコンなどの家電が音声で操作可能に。外出先からもスマートフォンで操作でき、帰宅に合わせて家電のスイッチを入れることもできる。

▽コンセントにWi-Fi

 コロナ禍でリモートワークや家で過ごす時間が増えたことを受け、ネット環境の充実が進んでいる。新しい物件では、コンセントの横にWi-Fiルーターが内蔵されていて、スマートフォンなどと接続すれば入居日から使うこともできる。若者のテレビ離れもあり、ケーブルテレビの受信料に代わって、インターネットの通信料が家賃に含まれる物件が増えている。

▽浴室天井から好きな音楽

 一日の疲れを癒やすバスタイムを充実させてくれるのがサウンドバス。浴室の天井にスピーカーが取り付けられており、入浴しながら音楽を楽しめる。導入物件は少ないが、人気のある設備だそう。浴室の入り口に操作部があり、スマホや音楽プレーヤーを接続することで手軽に再生できる。音量調整などは浴室からリモコンで行える。

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▽鍵穴ないドア、防犯性向上

 近年導入が増えているのが「スマートロック」と呼ばれる玄関の鍵。これまでドアノブの上部にあったシリンダーの代わりに、触れると数字が浮かび上がるタッチパネルが付いている。鍵穴をこじ開けられる心配がなく、オートロックのため防犯性が向上。カードキーのほか、タッチパネルで暗証番号を入力しても解錠できる。

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