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2023年3月7日に公開された動画のテーマは……児童手当の所得制限は必要ない！？
ゲストに社会学者の西田亮介氏をお招きし、児童手当の所得制限撤廃について語っていただきました。
異次元の少子化対策の行方とは？
【このトピックのポイント】
・児童手当の所得制限撤廃は少子化対策にならない
・子育て世帯を応援する社会の空気を醸成するために児童手当の所得制限は撤廃はあり
・萩生田氏・岸田総理の子育て政策をめぐる発言に西田氏「政府はまだまだ本気じゃない」
児童手当の概要
現行の児童手当は0歳から中学校卒業までの間、子どもの年齢や数によって1万円から1万5千円が給付されます。ただし、親の年収が高くなると段階的に減額され年収1,200万円になると給付はなくなります。
異次元の少子化対策の1つとしてこの所得制限を撤廃する議論がされているわけですが、西田氏はそもそも少子化対策にならないと考えているようです。MC奥田篤宇もやや懐疑的。
西田氏はその理由として、高所得者への給付の必要性と、高所得の子育て世代が少ない点に言及しました。
西田氏は「この所得制限を撤廃したところで子どもがたくさん生まれるとかそういうことにつながらない」「少子化対策にならないと考えるのが筋」とコメントしました。
児童手当の所得制限を続けるべき？国民の声は？
朝日新聞が2月18、19日に実施した世論調査によると、児童手当の所得制限について「続けるべきだ」という回答が全体で54％と半数を超えました。
一方で、世代別にみると18歳から29歳では「やめるべきだ」という回答が63％、30代でも51％という結果になりました。
この結果について「意外」という意見もあったようです。しかし、西田氏は給付の性質と国内の子育て世帯が2割という現状を鑑みて妥当な数字であると分析しました。
ここまで児童手当の所得制限の撤廃について厳しい意見を展開した西田氏ですが、「僕も撤廃したほうがいいと思っています」と撤廃そのものには賛成とのこと。
その理由として、社会全体で子育て世帯を応援することは重要であり、所得制限を撤廃することでその空気を醸成することができる点に言及しました。
西田氏は、所得制限の撤廃単体では少子化対策にはならないことに触れつつ「その他のきちんとした少子化対策・子育て対策が具体的になるのであれば、それとセットで総合的なパッケージとして実施していくべきかもしれない」とコメントしました。
自民党 萩生田政調会長は児童手当の所得制限撤廃に否定的
自民党の萩生田政調会長は、児童手当の所得制限の撤廃よりも新婚世帯への住居支援が優先との考えを示しました。
その際に「明日からでも公営住宅の空き家20万戸を新しい家庭の皆さんに提供することも出来る。1,500億円あるんだったら、その時に畳やお風呂やトイレを新しくしてあげたいな」と発言しました。
1,500億円は児童手当の所得制限撤廃に必要な金額とされています。
もし、児童手当の給付を18歳まで引き上げれば4,000億円以上、多子世帯加算を導入すれば数兆円の財源が必要になると言われています。
西田は、若い世代が公営住宅に住むという萩生田氏の考えに疑問を呈しつつ、「1,500億円と言わずもうすこし幅広い本格的な少子化対策・子育て支援を行っていただきたい」とコメントしました。
岸田総理 大事なのは「子育て当事者の声」
岸田総理は予算委員会での質疑に対して「子育ての当事者のみなさんの声を聞かなければならない」と発言しました。
この発言に対し西田氏は「今から聞くんですか？と問いたい」と鋭く指摘。
また、子ども予算の倍増の具体的な基準について岸田総理が「数字ありきではない」と発言したことについても「どこと比較して倍増なのか明確にしないといけない」とコメントしました。
政府の様々な発言を受け西田氏は「まだまだ政府は本気じゃない！」とまとめました。
最後にMC奥田が少子化対策の根本的な解決方法について質問すると、西田氏は「少子化対策は基本的に手遅れ」とコメント。その根拠として団塊ジュニア世代以降親の数が減ってしまっていることと、人口置換水準が2.07なのに対し希望出生数が2を割った点に触れました。
それでも50年あるいは100年かけて少子化対策を行うか、あるいは海外からの移民を受け入れるといった政策に言及しつつ「それで日本の社会を維持させるかどうかということを考えないといけないと思いますね」としめくくりました。
動画本編はこちら！
児童手当の所得制限撤廃は少子化対策にならない！でも撤廃したほうがいい！その理由とは？
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