まずは検査を! 専門家も呼びかけ「大腸がん」検診で早期発見

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。2月23日(木・祝)放送の「フラトピ!」のコーナーでは、近年患者が急増している“大腸がんの検診”について、キャスターの田中陽南が取材しました。

◆がんの部位で罹患数トップ、急増する「大腸がん」とは?

日本人の死亡原因で最も多い"がん”ですが、部位別患者数の推移を見ると、ここ10年で急増し、肺がんや胃がん、乳がんなどを抑えトップになっているのが"大腸がん”です。

そこでこの日は、意外と知られていない大腸がんについて、"健診”をキーワードに学びます。

「大腸がんは早期発見できれば、治る可能性の高いがんのひとつと言われている」と語るのは、内視鏡を使った検査や治療を専門に行うクリニックの医師、原田英明さん。

原田さん曰く、大腸がんにかかりやすい人は、高齢者はもちろん、最近では40代~50代も。「現役世代も増えてきている印象がある」と言い、その背景には「食事の欧米化」や「運動不足」、アルコールやタバコなど「嗜好品」の影響を挙げます。

また、大腸がんの特徴は進行が遅く、比較的性質がおとなしいため、初期ではほぼ気付かないと原田さん。自覚症状が出にくく、気付いたときには進行しているケースも多いと言います。そこで何より必要なのが"早期発見”で、そのために大事なのは「大腸がん検診」と明言します。

原田さんの病院には1日20人程度検診に訪れるそうで、そのうち「半分ぐらいの方に大腸にポリープが見つかったりします」と現状を告白。

こうしてポリープを早く見つけることが大切で、それを切除することが大腸がんの予防になると言われていると原田さん。しかし、近年はコロナ禍でがん健診の受診控えが増加。早期発見の障害になっているそうで、「早期発見のために大腸の検査を受けることが大切」と訴えます。

◆検査はお尻からスコープを入れるも…今は痛くない!?

では、大腸の検査はどのようなものなのか。原田さんに聞いてみると"大腸カメラ”が最も有効な検査だそう。手順はスコープをお尻から挿入し、スコープを抜きながら大腸の粘膜を観察。ポリープや大腸がんなどがないかを調べます。検査の所要時間は、10~15分程度。ひと昔前と比べると、気軽に受けられる検査となっています。

早期発見のためにもとても大事な検査ではありながら、お尻からスコープを入れるとなると痛いイメージがあると田中が尋ねると、「最近では、鎮静剤を使った検査を行っています。眠った状態で検査を受けることができますので、だいぶ楽に受けられるようになっている」と原田さん。

大腸カメラは、検査だけでなく、小さなポリープが見つかった場合、そのまま切り取って除去することが可能です。

また、大腸カメラ検査は、下剤を服用するなどデリケートな検査のため、完全個室が用意されている病院があるなど、女性が安心できる環境も整っています。最後に原田さんは「(大腸がんは)なかなか症状が分かりづらいがんなので、45~50歳を目安に、1度大腸カメラ検査を受けていただきたい。それが大事なこと」と呼びかけていました。

キャスターの堀潤は、「これまでもコロナ禍でなかなか検診が受けられない問題は指摘されてきたが、こうして専門家から言われると、"自分も行かなきゃ”という気持ちになる」と感想を述べます。

食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんは、がんのリスクのひとつに挙げられる「食生活の欧米化」について言及。

「今、私は日本で過ごしているけれど、自分の胃などに受け付けにくいような動物性タンパク質を食べてしまう。それが積み重なることで負担をかけてしまうのではないか。例えば、タンパク質のプロテインを摂ったとき、筋肉にはいいかもしれないけれど、実は胃には負担がある」と案じつつ、「どこに効くのか、どこに負担がかかるのか、それが自分の食生活に合っているのかなどは再認識していかないと、40歳、50歳になって検査をしたときに良くない結果に繋がってしまうと思うので、気をつけるべき」と警鐘を鳴らします。

堀からは、「検査に関しては、心理的ハードルがあると思っていて、怖いし、不安が掻き立てられるし、(自分の体に異常がないか)知りたいけど知りたくないみたいなところもある」と本音が。

検査に対する心理的な面について、臨床心理士のみたらし加奈さんは「(原田さんも言っていたように)今は眠ったまま検査できたり、完全個室があったり、そうした情報はなかなか周知されていないので、もう少し周知されていいかなと思う」と話します。

みたらしさんの親戚は大腸がんを患い40代で亡くなりました。異変に気付き大腸がんだと分かったときにはかなり病状も進行していたそうで、「検査はきちんと行ったほうがいいなと思った」としみじみ。

株式会社ABABA代表の久保駿貴さんは「健康寿命を伸ばすためにも大腸がんに限らず、今後は"予防医療”という言葉もトレンドだと思っているので、早期の検査を」と語り、「大丈夫だと思いますけど、堀さんも検査に」と堀の体を気遣っていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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