捏造でない以上、高市大臣は答弁に則した対応を

 政治的公平に関わる放送法の解釈を巡り、2015年当時、官邸と総務省間であったとされるやり取りの文書に関し、当時の安倍政権下で総務大臣だった高市早苗経済安全保障担当大臣は「文書は捏造文書」とし、立憲民主党の小西洋之参議院議員が捏造でなければ国会議員も辞職するのか、と質され「結構」と捏造でなければ議員辞職を答弁していたが、7日になって「自分に関する部分は内容が不正確だ」などと辞職を否定。このまま居座れば大臣発言の軽さが浮き彫りになり、国会での大臣答弁に対する国民の不信感を招きかねない事態になっている。「文書が捏造でなかった以上、国会答弁に則した対応をすべき」との声もある。

 松本剛明総務大臣は文書が「行政文書」であることを認めた。問題はたとえ「不正確な文書」であっても「行政文書」であり、高市大臣が国会答弁で語った「捏造文書」とはまったく性質も、次元も異なること。高市大臣が辞職しない理由にはならない、ということ。

 高市大臣は「議員辞職を迫るのであれば、4枚の文書の内容が真実であると相手側も立証しなければならないのではないか」と立証責任を小西参院議員に求めたが、ネット上では、ライターの平河エリさんも「内容が不正確であることと捏造であることの間には大きな差があり、高市氏の説明は国会答弁から変化したと言わざるを得ません。辞書を引くと捏造とは『事実でないことを事実のようにこしらえていうこと』とあります。しかし、行政の一部である総務省が文書を捏造した、という解釈を、行政の一員である大臣、ましてや文書を作った当時の責任者であった方が国会の場で答弁し続けられるわけもありません」と投稿している。

 また別の投稿者は「行政文書はあったやりとりを、ありのまま、できる限り正確に記してあるのが大前提。よって、『不正確』と言うのであれば、なにがどう不正確なのか、論拠を持って証明しなければならないのは高市氏側だと思うが」と小西氏ではなく、高市大臣がすべき責任と指摘。

 また「総務省の行政文書であるという、いわば公文書について『正確性に疑義がある』と当時の総務省の最高責任者である高市大臣が今になっておっしゃるのはいかがなものか。行政文書には当時は目を通していなかったのか。不思議でならないし、当時『電波を止める』と物騒な発言をされていたことを記憶しています」との投稿もある。高市大臣には自身の国会答弁に忠実であってほしいし、不正確としている部分の国民への説明責任は、高市大臣にあることは確かだ。(編集担当:森高龍二)

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