燃料費の高止まりで25件に倒産が急増【2月道路貨物運送業倒産】

~2023年2月道路貨物運送業の倒産~

 件数が2.2倍に急増 燃料費の高止まりが経営を圧迫

 2023年2月の道路貨物運送業倒産は件数が25件(前年同月比127.2%増)で、前年同月(11件)から2.2倍に急増した。2月度としては、2016年(21件)以来、7年ぶりに20件を上回った。
 燃料費の高騰などによる「物価高」倒産は6件(前年同月3件)で倍増。従業員数20人未満が23件(前年同期比130.0%増)で9割以上(構成比92.0%)を占めており、燃料費の高止まりによる小・零細企業の苦境が浮き彫りとなっている。
 2022年度(4-2月)の倒産件数は累計238件(前年同期比48.7%増、前年同期160件)で、前年同期の約1.5倍と大幅に増加した。

 負債総額は24億8,700万円(前年同月比101.0%増)で、2022年2月より13カ月連続で前年同月を上回った。件数の増加に加え、前年同月に発生しなかった負債5億円以上の倒産が1件発生し、負債総額は前年同月から倍増した。

 軽油価格は、年度を通じて1Lあたり150円前後を推移し、価格の高止まりが長期化しているが、運賃への価格転嫁ができている企業は少ない。また、働き方改革に伴う「2024年問題」への対応も急務となるなか、コスト負担が重荷となり、経営再建が先送りとなっている。春以降、コロナ関連融資の返済が本格化するが、経営体力が疲弊した企業を中心に人手不足や燃料費の高止まりなどで倒産件数をさらに押し上げる可能性が高まっている。

2月道路貨物運送業倒産

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